kintone経費申請の自動化とは?承認後まで一気通貫で解説
kintoneの経費申請自動化について、標準機能でできる範囲から会計API連携、購買・出張まで含む一気通貫連携まで、経理・情シス・総務の課題を踏まえて解説します。
kintoneで経費精算アプリを構築したものの、「承認は早くなったが会計ソフトへの転記が手作業のまま」「領収書の突合に毎月時間を取られている」といった声を多くの経理担当者から聞きます。本記事では、kintoneの標準機能でできる自動化の範囲と限界を整理したうえで、OCR連携・会計API連携・購買/出張手配までを含む一気通貫の自動化まで、実務レベルで解説します。
kintoneで経費申請を自動化するとは?基本の仕組みと限界
kintoneの「プロセス管理」機能を使えば、申請者→上長承認→経理確認という多段階の承認フローをステータス管理として自動化できます。ステータスが変化した際にJavaScriptカスタマイズやプラグインでSlack通知を飛ばしたり、kintone標準の通知機能でメール通知を送ったりする設定も、多くの企業が既に運用している基本形です。
kintoneの標準機能(プロセス管理)でできる自動化の範囲
プロセス管理では、条件分岐(10万円以上は部長承認を追加、など)や差し戻し処理、承認者不在時の代理承認設定までノーコードで構築可能です。ここまでは多くの中堅企業が既に実現できている領域です。
申請・承認・通知の自動化フローの基本形
標準的なフローは「申請データ入力→上長へ自動通知→承認→経理へ自動遷移→経理確認→完了」という流れです。通知にはkintone標準の通知機能や、プラグインによるSlack/Teams連携を組み合わせるケースが一般的です。
標準機能だけでは自動化しきれない「3つの壁」
一方で、①会計ソフトへの仕訳転記、②領収書とデータの突合、③購買・出張手配との連携、この3点はkintone単体では自動化できません。承認は自動化されても、その後の実務作業が手作業として残るのが実情です。
経費申請自動化が必要とされる背景(経理・情シス・総務の課題)
経理担当者が抱える「月末の突合・差し戻し地獄」
承認済みデータをCSV出力し、会計ソフトへ手動インポート、さらに領収書原本と1件ずつ突合する作業は、申請件数が多い企業ほど大きな工数負担となります。金額不一致による差し戻しも頻発します。
情シス担当が直面する「カスタマイズ限界とプラグイン選定の悩み」
JavaScriptカスタマイズで対応してきた情シス担当者は、保守性やAPI連携の複雑さから限界を感じ、プラグイン導入を検討しますが、機能重複や連携範囲の違いで選定に迷うケースが多く見られます。
総務・営業部門が抱える「出張・購買のブラックボックス化」
事前申請から実際の予約・購買実行までがkintone上で完結しておらず、別システムやメールでのやり取りが発生することで、予算超過や二重発注のリスクが統制できていません。
kintone経費申請の自動化を実現する主な方法4選
サンプルアプリ+プロセス管理によるワークフロー構築
kintone公式のサンプルアプリをベースに、フィールド構成とプロセス管理を自社の稟議規程に合わせてカスタマイズする方法です。初期コストが低い反面、後述の3つの壁は解消されません。
OCR連携プラグインによる領収書読み取り自動化
領収書画像をアップロードすると、金額・日付・取引先を自動抽出しレコードに反映するプラグインです。手入力ミスと入力時間を削減できますが、突合作業自体はなくなりません。
freee・楽楽精算等の会計ソフトとのAPI連携による仕訳自動化
CSV出力ではなくAPI連携によって、承認完了と同時に仕訳データが会計ソフトへ自動反映されます。転記作業自体をなくせる点が大きなメリットです。
購買・出張手配まで含めた一気通貫連携(1Approval for kintone)
起案・購買・経費精算までを1つのデータフローでつなぐ方法です。承認と同時に発注・予約が実行され、経費データもリアルタイムで会計側に連携されます。
自社のボトルネックが「転記」なのか「突合」なのか、それとも「購買・出張連携」なのかによって、選ぶべき自動化の方向性は変わってきます。特に承認後の実務まで含めて見直したい場合は、1Approval for kintoneの詳細を見ることで、どこまで自動化できるかの具体的なイメージが掴みやすくなります。
1Approval for kintoneで実現する「承認したら即完了」の自動化
起案から購買・出張手配までワンストップでつなぐ仕組み
1Approval for kintoneでは、購買申請の承認完了と同時に発注データが仕入先システムや出張予約サービスへ自動連携されます。従来は承認後に担当者が別途発注・予約を行っていた工程がゼロになります。
経理の督促・突合業務をなくすリアルタイム経費データ連携
購買・出張データが実行された時点で経費データとして自動生成され、各種会計ソフト・経費精算システムと連携できます。一般的なBTM(出張手配サービス)だけを利用する場合、請求は会計システム、経費は経費精算システムとそれぞれ別々に処理されることが多く、全体像が見えにくくなりがちです。1Approvalであれば請求情報と経費情報を一括で確認できるため、出張費用の合計などが一目で把握できます。加えて、法人カードによる決済の仕組みを組み合わせれば、従業員が一時的に立て替えて後日精算するという運用自体をなくすことも可能です。さらに、複数の取引先・サービスにまたがる利用料は月1回の法人一括請求としてまとめられるため、経理側の支払い処理も月末に集中させず平準化できます。
承認から購買完了までのリードタイム短縮という効果
導入企業では、承認から購買完了までのリードタイムが従来より大幅に短縮され、経理の月次締め作業の負担軽減にもつながっています。また、部署や役職、利用目的によって承認ルートや利用上限を柔軟に変えられる仕組みにより、統制を緩めることなくスピードを両立できる点も特徴です。
承認から購買完了までのリードタイムは、直接コストにも影響します。出張手配では予約が直前になるほど航空券やホテルの費用が上がる傾向があり、リードタイムを短縮するだけで直接コストが30%以上削減された事例もあります。
kintone経費申請自動化ツールの選び方・比較のポイント
自社の課題(転記・突合・購買連携のどこがボトルネックか)の切り分け方
まずは現状フローを棚卸しし、「転記が課題か」「突合が課題か」「購買連携が課題か」を明確にすることが選定の第一歩です。
プラグイン型・API連携型・一気通貫型(1Approval)の比較表
| タイプ | 解決範囲 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| プラグイン型 | OCR・通知強化 | 入力負荷の軽減が優先課題 |
| API連携型 | 会計仕訳の自動化 | 転記作業の削減が優先課題 |
| 一気通貫型 | 購買・出張〜経費まで一括 | 統制強化・リードタイム短縮が優先課題 |
電子帳簿保存法・インボイス制度対応の観点でのチェックポイント
タイムスタンプ付与や検索要件の充足、適格請求書の自動判定機能を備えているかは、ツール選定時に必ず確認すべき項目です。
kintone経費申請自動化の導入ステップとよくある失敗
スモールスタートで始める導入フロー
現状フローの可視化→課題の切り分け→PoC(一部門での試験導入)→全社展開という段階を踏むことで、現場の反発を最小限にできます。
現場定着でつまずきやすいポイントと対策
入力項目を増やしすぎると申請者の離脱が起こります。既存の運用フローを大きく変えず、裏側の処理だけを自動化する設計が定着の鍵です。
情シス・経理・総務の三部門連携で進める体制づくり
自動化範囲が購買・出張にまで及ぶ場合、経理単独の判断では進められません。三部門が要件定義段階から参加する体制が成功要因です。申請〜承認〜精算までの自動化は、情シスにとっては保守負荷の軽減、総務にとっては出張手配の手間削減、経理にとっては突合作業の解消と、三部門それぞれの課題を同時に解決できるかどうかで評価すると選定がぶれにくくなります。導入を具体的に検討する際は、1Approval for kintoneの詳細を見るページで自社の運用に当てはめて確認してみることをおすすめします。
まとめ:kintoneの経費申請自動化は「承認後」まで見据えて選ぶ
kintoneの経費申請自動化は、承認フローの構築だけでは終わりません。転記・突合・購買連携という「承認後」の実務まで自動化できるかどうかが、経理・情シス・総務の負担を本質的に減らせるかの分かれ目です。自社のボトルネックがどこにあるかを見極め、プラグイン・API連携・一気通貫型の中から最適な選択をすることが重要です。
監修
伏見 匡矩
株式会社エイチ 代表取締役
早稲田大学政治経済学部卒業後、P&Gマーケティング本部入社。2011年にリクルートから出資を受け、エモーチオを設立し取締役に就任。2013年に現在の前身となるココロイロを設立し、代表取締役に就任。2014年、リジョブCSO兼顧問後に株式会社じげんに20億で会社を売却。2015年、エイチを設立。2018年、エイチワークスをリクルートと共同事業として創業し、代表取締役就任。2019年エイチに事業一本化。
※記載されている会社名・製品名は各社の商標または登録商標です。