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MICE・イベント

エイチ・Instabase・Spacemarket・Yoyappinの比較

会議室・イベント会場を手配する4サービスを、掲載数だけでなく「Webに在庫が載る会場か」「自分で探すか代行か」「承認とどう接続するか」で比較します。予約サイト各社が法人機能を備えた現在、何が実際の選定軸になるのかを整理しました。

エイチ・Instabase・Spacemarket・Yoyappinの比較

「会議室 予約サイト」で検索すると、性格の違うサービスが横並びで出てきます。掲載数だけを見て比べると、48,000件のサービスが14,000カ所のサービスより2倍以上優れているように見えますが、実務ではそう単純になりません。

本記事では、エイチ・インスタベース・スペースマーケット・Yoyappinの4つを、掲載数ではなく扱える在庫の性質承認・請求との接続で比較します。先に結論を書くと、分かれ目は「自分で探せる規模の会場か」です。

なお、社員の作業場所として使うドロップイン型のシェアオフィス(H¹T・ZXYなど)は、同じ「スペース」でも用途が異なります。そちらはH¹T・ZXY・ワークスタイリング・SoloTime比較で扱っています。

会場手配がそもそもなぜ電話業務になるのか、という業務側の構造は社内イベントの会場手配はなぜ大変なのかで扱っています。本記事はサービスの選定に絞ります。

この記事の要点

  • 4サービスは同じ土俵ではない。マーケットプレイス型(インスタベース・スペースマーケット・Yoyappin)と手配代行型(エイチ)に分かれる。
  • 掲載数は比較軸として弱い。法人が実際に使う大型・中規模会議室の多くは、そもそもWebに在庫を公開していない
  • 請求書払い・利用上限・一括管理といった法人機能は、予約サイト各社もすでに備えている。ここでは差がつかない。
  • 実際の分かれ目は2つ。自分で探せる規模かと、承認の前に総額が確定するか
  • 10名の打合せなら予約サイトで足りる。100名の説明会で複数候補を比べるなら、代行の有無が効いてくる。

まず、4サービスは同じカテゴリではない

会議室手配のサービスを、自分で探して自分で予約するマーケットプレイス型と、条件を伝えると代行されて承認と同時に予約が確定する手配代行型の2カテゴリに分けて示した図解

使い方
インスタベースマーケットプレイス自分で検索し、自分で予約する
スペースマーケットマーケットプレイス自分で検索し、自分で予約する
Yoyappinマーケットプレイス自分で検索し、自分で予約する
エイチ手配代行+承認接続条件を伝えると候補が返る。承認と同時に予約が確定する

マーケットプレイス型は、Webに在庫を公開している施設を自分で探して予約する仕組みです。手軽で、少人数の会議なら数分で完結します。

エイチは探す作業そのものを引き受けます。横断検索も使えますが、中心にあるのはWebに在庫が出ていない会場をコンシェルジュが直接押さえにいくことと、その結果を承認・請求につなぐことです。

比較表

比較項目エイチインスタベーススペースマーケットYoyappin
運営株式会社エイチ株式会社Rebase株式会社スペースマーケットJR西日本×スペイシー
累計の手配実施件数100,000件以上
掲載・検索対象38,000箇所を横断検索全国48,000件以上37,000件以上(2025年2月時点)約14,000カ所
Webに載らない会場コンシェルジュが直接手配対象外対象外対象外
探し方セルフ/代行を選べるセルフセルフセルフ
相見積もり最大3候補を比較形式で提示自分で比較自分で比較自分で比較
承認との接続承認=予約確定なしなしなし
請求書払い法人一括請求あり(Paid)あり(後払い)
利用上限の設定ありあり
最小予約単位会場による時間単位時間単位15分〜
特典WESTERポイント/Yoyappinマイル
付帯手配弁当・配信機材・備品・レイアウト等対象外対象外対象外

※各社の公開情報をもとに2026年9月時点で整理したものです。最新の条件は各サービスの公式サイトでご確認ください。「—」は公開情報で確認できなかった項目です。

Webに載る在庫と、載らない在庫

掲載数の比較が実務で機能しない理由は、掲載されている会場の性質が偏っているためです。

Webに在庫が公開される会場と、電話確認が必要な会場の性質の違いを対比した図解。掲載型は個人利用が9割超で定員10名前後が中心、電話確認が必要な会場は法人利用の主戦場で30名から1,000名規模が中心であることを示している

Webで空きが即わかる会場電話確認が必要な会場
中心的な利用者個人利用が9割超法人
規模定員10名前後が中心30名〜1,000名
施設の例レンタルスペース、小規模会議室、撮影・パーティ用途大手チェーン系会議室、ホテル宴会場、公共施設、地方の貸会議室
用途打合せ、面談、小規模な作業研修、説明会、講演会、学会

説明会や研修で使う規模の会場ほど、予約システムを持っていません。電話で空きを聞き、仮押さえの期限を管理し、期限までに社内承認を通す——この一連が必要になります。

ここが「会場手配だけが電話業務のまま取り残されている」理由です。予約サイトの掲載数をいくら比べても、この領域はカバーされません。

法人機能では、もう差がつかない

差別化の説明でよく見るのが「立替精算が不要になる」「管理画面で一括把握できる」という訴求ですが、予約サイト各社もすでに備えています

  • インスタベース:法人向けプラン「instabase for Business」(2025年8月提供開始)で、請求書払い(Paid)、メンバーの利用状況をまとめるグループ機能、利用上限額の設定に対応。これらは追加費用なしで利用できるとされています
  • スペースマーケット:法人向けの後払い(請求書払い)に対応し、月末締めで翌月初旬に1か月分をまとめて請求。ビジネスアカウントで複数の社員を登録し、「誰が・いつ・どこに・いくらで」を一括管理できます

つまり、立替をなくしたい・利用実績を把握したいという要件だけなら、予約サイトの法人プランで足ります。ここを差別化として語るのは実態に合いません。立替をなくす手段そのものの比較は立替精算をなくす方法|法人カード・一括請求の違いで整理しています。

では何が残るのか。2つあります。

分かれ目1:自分で探せる規模か

10名の打合せで会議室を取るなら、予約サイトで検索して予約するのが最短です。候補も多く、その場で完結します。この用途で代行を挟む理由はありません。

問題は規模が上がったときです。定員100名、プロジェクターと配信機材つき、駅から徒歩10分以内、という条件で候補を集めようとすると、検索で出てくる会場だけでは足りません。電話で空きを聞く先が10件を超え、1件あたり数分の待ち時間が積み上がります。

当サイトのLPでも触れていますが、5件の候補を比べるだけで半日以上が消えます。その結果として起きるのは、現場が相見積もりをやめて「いつもの会場」に固定することです。同じエリア・同じ定員でも会場費に3倍以上の開きがある領域なので、比較をやめた時点で機会損失が発生します。

エイチは条件を伝えると最大3候補を比較しやすい形で提示します。比較が特別な手間ではなくなるため、そのまま承認の根拠になります。会場手配が電話業務になる構造は社内イベントの会場手配はなぜ大変なのかで詳しく扱っています。

分かれ目2:承認の前に総額が確定するか

もうひとつは、予約サイトには構造上存在しない軸です。

マーケットプレイス型は自分で予約してから精算する流れが前提です。法人プランで請求書払いにしても、順序は変わりません。予約が先、社内の承認は後か並行になります。

この順序だと次が起きます。

  • 承認が降りる前に予約が確定しているため、承認が形式的になる
  • 逆に承認を先に取ろうとすると、その間に空きが埋まり、取り直しになる
  • 付帯手配(弁当、配信機材、備品)が別手配になり、総額が承認時に確定しない

エイチは総額つきで事前承認に回し、承認が降りた瞬間に予約が確定します。kintone・Microsoft 365・Teams・Google Workspace の既存ワークフロー上で承認でき、承認基盤を置き換える必要はありません。

承認と実行の順序が逆転する問題は会場手配に限りません。同じ構造は現場の勝手購買はなぜ止まらないのか|緊急購買の設計でも扱っています。

Yoyappinは競合ではなく、連携先

比較表に並べましたが、Yoyappinとエイチは対立関係にありません。エイチはYoyappinと連携済みで、その在庫を手配対象に含んでいます

Yoyappin(ヨヤッピン)は、JR西日本のワークプレイス予約サービス「+PLACE」とスペイシーの「SPACEE」を統合して2026年3月に開始したサービスです。約14,000カ所を15分単位から予約でき、WESTERポイントやYoyappinマイルが使えます。

連携の経緯は公開されています。エイチとスペイシーは2025年1月に業務提携し、エイチの会議室手配プラットフォームを使ったスペイシーコンシェルジュサービスを共同で開始しました。スペイシーのSPACEEがYoyappinへ統合された現在も、この体制はYoyappinの会場手配コンシェルジュとして続いており、エイチの社名もそこに明示されています。つまり「Yoyappinで探す」と「エイチに任せる」は、同じ在庫に別の入口から触れている関係です。

この関係は、両者の性格の違いをよく表しています。マーケットプレイスは在庫を集めて公開するレイヤー、エイチは複数の在庫を横断して、載っていない会場も含めて手配するレイヤーです。レイヤーが違うので、連携が成立します。

どう選べばいいか

次の順で確認すると判断がつきます。

  1. 使う会場の規模はどれくらいか — 定員30名を超える会場が中心なら、Webに在庫が出ていない可能性が高い
  2. 候補を3件以上比べているか — 比べていないなら、会場費の削減余地が残っている
  3. 社内の承認が必要か — 必要なら、予約と承認の順序が逆転していないか確認する
  4. 付帯手配があるか — 弁当、配信機材、レイアウト調整が別手配になっていないか
当てはまる状況向いている選択
少人数の打合せが中心、承認は不要か簡易予約サイト(インスタベース・スペースマーケット・Yoyappin)
社員の作業場所を確保したいドロップイン型のシェアオフィス(比較記事
30名超の会場を複数候補から選びたい手配代行(エイチ)
承認・請求まで一本化したい手配代行(エイチ)

併用も現実的です。 少人数の打合せは予約サイトで各自が取り、規模の大きい会場は代行に任せる、という分け方は無理がありません。

エイチでできること

エイチは全国38,000箇所を横断検索できるうえ、Webに在庫が出ていない会場をコンシェルジュが直接押さえます。空き確認・仮予約・期限管理の代行まで含むため、担当者は条件を伝えるだけで候補が返ってきます。累計の手配実施件数は100,000件以上です。

承認基盤との接続も特徴です。kintone・Microsoft 365・Teams・Google Workspace の既存ワークフロー上で承認が降りた瞬間に予約が確定し、費用は法人一括請求へ集約されます。立替と証憑回収が発生しません。

管理面では、予約一覧、請求の付け替え、請求書の分割発行、利用上限の設定、部署・メンバー管理、摘要(コストコード)の付与に対応します。社内規程に沿った会場だけを表示する設定も可能です。

既存の法人契約チェーンからの切り替えで、外部会場費を全体で約30%削減した事例もあります。製薬・医療機器業界での利用が多く、講演会や学会に伴う付帯手配(配信機材、弁当、有線LANの事前確認など)にも対応しています。

詳細は1Approval for MICEのページをご覧ください。会場手配の費用と工数の内訳はMICE運営の経費精算が煩雑になる理由と請求一本化の方法でも扱っています。

よくある質問(FAQ)

掲載数が多いサービスを選べばよいのではないですか?

掲載数は、Webに在庫を公開している施設の数です。法人が説明会や研修で使う30名以上の会場は予約システムを持たないことが多く、掲載数には表れません。少人数の打合せが中心なら掲載数は有効な指標ですが、規模が上がるほど指標としての意味が薄れます。

予約サイトの法人プランでは足りませんか?

立替をなくす、利用実績を把握する、という要件だけなら足ります。インスタベースは請求書払いと利用上限額の設定に対応し、スペースマーケットも後払いと一括管理に対応しています。足りなくなるのは、Webに載らない会場が必要になったときと、承認の前に総額を確定させたいときです。

エイチとYoyappinは競合しますか?

競合しません。エイチはYoyappinと連携しており、その在庫を手配対象に含んでいます。マーケットプレイスが在庫を集めて公開するレイヤー、エイチが複数の在庫を横断して手配するレイヤー、という役割の違いです。

予約サイトと手配代行を併用できますか?

できますし、現実的な選択です。少人数の打合せは各自が予約サイトで取り、30名を超える会場や付帯手配が必要な案件は代行に回す、という分け方が無理のない運用になります。ただし支払いが分散するため、経理側の処理をどう束ねるかは事前に決めてください。

会場費はどのくらい変わりますか?

同じエリア・同じ定員帯でも、会場費には3倍以上の開きが出ます。既存の法人契約チェーンからの切り替えで外部会場費を全体で約30%削減した事例があります。ただし削減幅は現在の調達方法によって変わるため、まずは直近の会場費を3件ほど抜き出し、同条件の他候補と比べてみることをおすすめします。

まとめ|比べるべきは掲載数ではなく、在庫の性質

会議室の手配サービスを比べるとき、掲載数は分かりやすい指標ですが、実務での判断には足りません。法人が実際に使う規模の会場ほど、Webに在庫が出ていないからです。

請求書払いや利用上限の設定といった法人機能は、予約サイト各社もすでに備えています。差がつくのは、自分で探せる規模を超えたときに誰が探すのかと、承認の前に総額が確定するのかの2点です。

まずは直近3か月で手配した会場を振り返り、候補を3件以上比べたものが何件あるかを数えてみてください。比べていない案件が多いなら、それは担当者の怠慢ではなく、比べるコストが高すぎる状態です。

主な参照先

※掲載数・機能・料金条件は2026年9月時点で確認した公開情報です。各社とも条件が変わる可能性があるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。

監修

伏見 匡矩

伏見 匡矩

株式会社エイチ 代表取締役社長

株式会社エイチ代表取締役社長。出張手配・会場手配の実務を起点に、申請・承認から購買実行までを一体で扱う1Approvalを立ち上げ、事業責任者としてプロダクト設計に携わる。スペースコンシェルジュ事業では、会議室・イベントスペースの会場手配を累計30,000件以上担当。手配側の実務から、会場選定・承認・請求の課題を扱っている。

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