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カレンダーPlusとは?料金とProの判断

カレンダーPlus(ラジカルブリッジ)は、kintone標準のカレンダービューでは足りない部分を埋めるプラグインです。標準ビューが「1日2件まで」で止まる構造から整理し、BasicとProの価格差15万円が何に対する対価なのか、最大5軸のリソース別スケジューラーをどう使うか、そして買い切りという料金設計が実務で何を意味するかまで扱います。

カレンダーPlusとは?料金とProの判断

kintoneでスケジュールを扱おうとすると、ほとんどの会社が同じ順序をたどります。まず標準のカレンダービューを設定し、しばらく使い、足りないと気づいてプラグインを探し始める。

カレンダーPlus(ラジカルブリッジ)は、その探し先として最も名前が挙がる製品です。本記事では、標準ビューの何が足りないのかを具体的に整理したうえで、BasicとProの15万円の差が何に対する対価なのか、そして買い切りという料金設計が実務で何を意味するかまで扱います。

この記事の要点

  • 標準のカレンダービューが実務で止まる最大の理由は、1日あたり2件までしか表示されないことです。3件目から省略されます。
  • 複数日にまたがる予定も、標準では開始日か終了日のどちらか一方にしか出ません。
  • カレンダーPlusは色分け・ドラッグ&ドロップ・月/週/日の切替・複数日の予定表示を埋めます。ただし色は12色まで、カレンダーは1アプリにつき1つという制約があります。
  • 価格差が大きいのはProのリソース別スケジューラーです。担当者別・会議室別・車両別など最大5軸を切り替えられます。
  • Basic 39,800円に対しPro 189,800円。差額15万円は実質この1機能に対する対価です。軸の切替が要るかどうかで判断が分かれます。
  • 料金は買い切り。サブスクが主流のkintoneプラグインの中では珍しく、長く使うほど有利になります。

標準カレンダービューで何が足りないのか

kintoneには標準でカレンダー表示があります。まずそれで足りるかを確認してください。足りるなら追加費用はゼロです。

実務で止まるのは次の6点です。

kintone標準カレンダーPlus
1日あたりの表示件数2件まで。3件目から省略制限なく表示
複数日にまたがる予定開始日か終了日の一方のみ期間として帯で表示
色分けできない条件により12色まで
予定の移動できないドラッグ&ドロップ
時刻の表示開始時刻のみ(「0:00」の形)「10:00 - 18:00」と範囲で表示
表示単位月のみ月/週/日をその場で切替

同じデータを両方で表示すると、差がそのまま出ます。まず標準のカレンダービューです。

kintone標準のカレンダービュー。2026年10月の月表示で、10月22日の欄に「0:00 カレンダーPlus訪問」「0:00 エイチ訪問」の2件だけが表示され、その下に「その他 3件」と省略されている。色分けはなく、表示は月単位のみで切替ボタンもない

「その他 3件」と出ているのが、標準ビューの上限です。 22日には5件の予定が入っていますが、画面に出るのは2件だけです。

同じアプリの同じデータを、カレンダーPlusで表示したものがこちらです。

カレンダーPlusの月表示。同じ2026年10月のデータで、10月22日に「1Approval訪問」「エイチ訪問」「カレンダーPlus訪問」「ラジカルブリッジ様訪問」の4件が緑の帯で並び、さらに「10:00 - 18:00 名古屋 B社訪問(連携テスト)」が赤い帯で22日から23日にまたがって表示されている。上部には緑・青・赤・グレー・オレンジ・茶・紫・ピンク・水色・黄・黄緑・紺の12色の凡例が並び、右上に月・週・日の切替ボタンがある

5件すべてが出ています。あわせて次の3つも同じ画面で確認できます。

  • 色分け — 上部の凡例がちょうど12色。これが上限です
  • 複数日の予定 — 赤い帯が22日から23日へまたがっています。標準では22日に点が出るだけです
  • 表示の切替 — 右上に月/週/日のボタンが並びます

「1日2件まで」が決定的

この6つのうち、最初に運用を壊すのは1つ目です。

社内の予定表、会議室の予約、訪問スケジュール——いずれも1日に3件以上入るのが普通です。標準ビューでは3件目から省略されるため、カレンダーを見ても全体が分かりません。結果として「カレンダーは参考程度で、実際はExcelを見る」という二重運用になります。

色分けやドラッグ&ドロップは「あると便利」ですが、この件数制限は使えるか使えないかを分けます。標準で足りるかを判断するときは、まずここを見てください。

複数日の予定が表現できない

2つ目も実務では重い制約です。

出張が3日間、工期が2週間、貸出が5日間——こうした「期間を持つ予定」は、標準ビューでは開始日か終了日の片方にしか点として出ます。途中の日が空いて見えるため、空いていると誤解した予約が入ります。

会議室や車両のように重複を避けることが目的の運用では、これは機能していないのと同じです。

カレンダーPlusが埋めるもの

標準の6点を埋めたうえで、運用で効くのは次の3つです。

色分けによる即時の判別 予定の種類や担当者で色を分けられます。カレンダーは「見た瞬間に分かる」ことが価値なので、色は実用上の差になります。ただし12色までという上限があるため、分類が13以上ある場合はグルーピングが必要です。

ドラッグ&ドロップでの変更 予定をつかんで動かすだけで日付が変わります。レコードを開いて日付フィールドを直す操作が消えます。予定変更が頻繁な業務ほど効きます。

月/週/日の切替 全体を見るときは月、当日の段取りを見るときは日、という使い分けができます。標準は月のみです。

カレンダーPlusの週表示。2026年10月18日から24日までの7日間が縦の時間軸とともに表示され、上部の終日欄に4件の予定が緑の帯で並んでいる。10月22日の10時の位置から赤い帯で「10:00 - 0:00 名古屋 B社訪問(連携テスト)」が下に伸び、23日にも同じ予定の続きが表示されている

週表示にすると時間軸が入ります。月表示では「その日に予定がある」ことしか分かりませんが、週表示では何時から何時までかが帯の長さで見えます。会議室や車両のように時間帯の重複を避けたい用途では、この表示が前提になります。

制約も押さえておく

導入前に知っておくべき制約が2つあります。

  1. 設定できるカレンダーは1アプリにつき1つ — 同じアプリで「予定日ベース」と「実施日ベース」の2つのカレンダーを並行して持つ、といった使い方はできません
  2. 色分けは12色まで — 分類が多い場合は、上位のグループに丸める設計が要ります

どちらも致命的ではありませんが、アプリ設計の前に知っておくかどうかで手戻りが変わります。

Proのリソース別スケジューラー

BasicとProの価格差は、ほぼこの機能に対するものです。

通常のカレンダーは「日付 × 予定」の2次元です。リソース別スケジューラーは、そこに軸を足します。

軸の例何が見えるようになるか
担当者別誰がいつ空いているか
会議室別どの部屋がいつ空いているか
車両別どの車がいつ出ているか
設備・機材別どの機材がいつ使われているか
店舗・拠点別どの拠点にいつ予定があるか

最大5軸までを自由に切り替えられます。同じデータを、ある時は担当者で見て、ある時は会議室で見る、という使い方です。

リソース別スケジューラーの考え方。通常のカレンダーが日付と予定の2次元であるのに対し、リソース別スケジューラーは担当者別・会議室別・車両別・設備別・拠点別といった軸を最大5つまで足して切り替えられることを示した図。割り当て先が複数あって重複を避けることが目的なら必要で、自分の予定管理や締切の一覧のように軸がない用途ではBasicで足りることを対比している

この機能が要るかどうかの判断

判断は単純です。割り当て先が複数あって、その重複を避けることが目的なら要ります。

  • 会議室の予約 — 部屋ごとに見えないと重複が防げない。要る
  • 車両の管理 — 同上。要る
  • 訪問介護・工事の配車 — 担当者ごとに見えないと割り当てられない。要る
  • 自分の予定管理 — 軸が1つしかない。要らない
  • 締切の一覧 — 割り当て先がない。要らない

後者の用途なら、Basicで十分です。

なお設定上、リソース別表示は通常オフになっています。設定画面で「リソース別スケジュールオプション機能を有効にする」にチェックを入れ、リソースとして使うフィールドを指定する形です。

料金

公表されている価格です(税抜)。購入時点の利用人数でプランが決まります。

利用人数BasicPro
1〜20名39,800円189,800円
21〜50名59,800円209,800円
51〜100名79,800円229,800円
101〜200名99,800円249,800円

差額15万円をどう見るか

1〜20名で比べると、Basic 39,800円に対しPro 189,800円。差額は15万円で、機能差は実質リソース別スケジューラーのみです。

この15万円を判断するには、それが無いときに何をするかを考えてください。会議室の重複を防ぐために、別途Excelの予約表を維持し、ダブルブッキングのたびに調整が発生するなら、15万円は数か月で回収できる水準です。逆に軸が不要な用途なら、1円も価値がありません。

機能の優劣ではなく、自社の用途に軸があるかどうかで決まります。

買い切りという設計

kintoneプラグインの料金はサブスクリプションが主流ですが、カレンダーPlusは買い切りです。一度支払えば使い続けられます。

これは実務で2つの意味を持ちます。

1つ目は、やめても止まらないこと。 サブスクは解約すると機能が止まります。買い切りなら、予算が通らない年があっても業務が継続します。kintone無料プラグイン|用途別に紹介で触れたサブスク型は、使わなくなっても契約が続く一方、やめた瞬間に使えなくなるという表裏があります。

2つ目は、総額の比較が変わること。 月額のプラグインと比べるときは、何年使うかを置かないと比較になりません。仮に月額5,000円のプラグインと比べるなら、Basic 39,800円は8か月で並びます。長く使う前提なら買い切りが有利です。

費用の分解のしかたはkintone導入費用の内訳|総額の出し方で整理しています。

人数が増えたとき

価格は購入時点の利用人数で決まります。kintone無料プラグイン|用途別に紹介で整理したとおり、人数が増えても追加料金は不要、適用アプリ数も無制限と公表されています。

成長中の会社では、この条件が効いてきます。ユーザー課金のプラグインは人数に比例して増えますが、こちらは増えません。

試用ライセンスの扱い

カレンダーPlusは「無料で使える」と紹介されることがありますが、正確には試用ライセンスの機能制限が無いという意味です。

試用ライセンス有償ライセンス
期間制限なしなし
使える機能全機能全機能
利用アプリ数制限なし制限なし
アップグレード案内毎日表示される表示されない

つまり機能は止まらないが、案内表示が出続ける形です。社内の共有ディスプレイや、顧客に見せる画面で使うなら、ここは実務上の判断材料になります。詳しくはkintone無料プラグイン|用途別に紹介で扱っています。

評価の進め方としては、試用ライセンスで本番相当のデータを入れて1か月回すのが確実です。件数が増えたときの表示、色分けの上限、軸の切替——いずれも実データでないと見えません。

向いている用途・向かない用途

向いているのは、日付に紐づくレコードをカレンダーの形で共有したい業務です。公表されている利用例としては、社内スケジュール管理、会議室予約、車両予約、訪問介護の予定・実績管理、店舗の顧客予約、教室のレッスンルーム予約などが挙げられています。

向かないのは、カレンダー表示が目的ではない業務です。締切の管理だけなら、一覧ビューをソートしたほうが速く見えます。カレンダーは「空いている時間を探す」「重複を避ける」ために価値が出る形式です。

判断が分かれるのは、Googleカレンダーなど既存のカレンダーがある場合です。社内の予定がすでにGoogleカレンダーで回っているなら、kintone側に別のカレンダーを作ると二重になります。kintoneで持つべきなのは、レコードに紐づく予定(案件、工事、訪問、貸出)であって、個人の予定ではありません。

よくある質問(FAQ)

kintone標準のカレンダービューでは足りませんか?

1日あたり3件以上の予定が入るなら足りません。標準は2件までで、3件目から省略されます。また複数日にまたがる予定が期間として表示できないため、会議室や車両のように重複を避けることが目的の運用では機能しません。逆に1日1〜2件で期間もない用途なら、標準で足ります。

BasicとProのどちらを選べばよいですか?

割り当て先が複数あり、その重複を避けることが目的ならProです。会議室、車両、担当者といった軸でカレンダーを切り替える必要があるかどうかで判断してください。軸が不要な用途ならBasicで足ります。

色分けは何色まで使えますか?

12色までです。分類が13以上ある場合は、上位のグループに丸める設計が必要になります。導入前に、分けたい分類を数えておいてください。

1つのアプリに複数のカレンダーを作れますか?

設定できるカレンダーは1つです。同じアプリで「予定日ベース」と「実施日ベース」を並行して持つことはできません。両方が必要なら、アプリを分ける設計になります。

人数が増えたら追加の支払いが必要ですか?

購入時点の利用人数でプランが決まり、その後は人数が増えても追加料金は不要と公表されています。適用アプリ数も無制限です。ユーザー課金のプラグインとは、総額の伸び方が違います。

繰り返しの予定は登録できますか?

カレンダーPlus単体では扱いません。同じラジカルブリッジが提供する「くりかえしPlus」という別製品があり、組み合わせて使う形になります。繰り返し予定が要件に含まれるなら、2製品の合計で予算を見てください。

導入前に何を確認すべきですか?

試用ライセンスで本番相当のデータを入れて、1か月回してください。確認する点は3つです。1日の最大件数が表示に収まるか、分類が12色に収まるか、軸の切替が必要かどうか。いずれもサンプルデータでは見えません。

1Approvalでの実現方法

1Approvalは、いま使っている承認ワークフロー(kintone、Microsoft 365、Teams、Google Workspace)の上で、承認が降りた時点で発注や手配まで完了させる仕組みです。

カレンダーPlusとは扱う場所が違います。

役割
カレンダーPluskintoneのレコードをカレンダーの形で見せる
1Approval承認が降りたあとの発注・手配を実行する

前者は見え方の問題、後者は工程の問題です。

  • 承認と発注の間が消える — 承認後に誰かが購買サイトを開いて注文し直す工程がなくなります
  • 申請の入口が1つになる — 何をどこで買うかに関わらず同じ場所から申請できます
  • 費用が法人一括請求にまとまる — 立替精算と証憑の回収が発生しません
  • 既存のkintoneをそのまま使う — プロセス管理で組んだ承認フローを置き換えません

出張の申請がkintoneで承認され、その予定がカレンダーに並び、手配は自動で終わる、という形は両方を組み合わせれば作れます。

まとめ

カレンダーPlusは、kintone標準のカレンダービューで足りない部分を埋めるプラグインです。

標準で最初に運用を壊すのは、1日あたり2件までしか表示されないことです。3件目から省略されるため、カレンダーを見ても全体が分かりません。複数日にまたがる予定が期間として出せないことも、会議室や車両のように重複を避ける運用では致命的です。

カレンダーPlusは色分け・ドラッグ&ドロップ・月/週/日の切替・複数日の表示を埋めます。ただし色は12色まで、カレンダーは1アプリにつき1つという制約があります。

BasicとProの差額15万円は、実質リソース別スケジューラー1機能に対する対価です。担当者別・会議室別・車両別など最大5軸を切り替えられます。割り当て先が複数あり重複を避けることが目的なら要り、そうでなければ1円も価値がありません。

料金は買い切りで、人数が増えても追加料金は不要です。サブスクが主流の中では珍しく、長く使うほど有利になります。

まずは標準のカレンダービューで1日に何件入るかを数えてください。2件以内なら追加費用はゼロで済みます。

主な参照先

※価格は税抜表記で、2026年10月時点の公開情報をもとにしています。最新の料金とプランの条件は提供元にご確認ください。

監修

伏見 匡矩

伏見 匡矩

株式会社エイチ 代表取締役社長

株式会社エイチ代表取締役社長。出張手配・会場手配の実務を起点に、申請・承認から購買実行までを一体で扱う1Approvalを立ち上げ、事業責任者としてプロダクト設計に携わる。承認されたあとの購買・手配をどう自動化するかという観点から、kintoneを基盤とした申請・承認の設計を扱っている。

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