タッチダウンオフィスの情報セキュリティ|声漏れ対策
タッチダウンオフィスの情報セキュリティリスクを施設タイプ別に整理し、声漏れ・機密情報漏えいを防ぐための選び方と社内ルール策定のポイントを解説します。
外出中や在宅勤務の合間に立ち寄れるタッチダウンオフィスは、営業の移動時間を削減し生産性を高める手段として定着しつつあります。一方で、社外のオフィススペースを利用する以上、会議の声が周囲に漏れる、パソコンの画面を覗き見される、業務用パソコンを置き忘れるといった情報セキュリティリスクは、社内で働く場合とは質的に異なります。本記事では、施設タイプ別のセキュリティリスクを整理し、選び方と社内ルール策定のポイントを解説します。
タッチダウンオフィスの施設タイプ別セキュリティリスク
タッチダウンオフィスには完全個室型・キューブ型・ブース型・ボックス型・会議室型・オープンスペース型といった構造の違いがあり、タイプによって情報セキュリティのリスクは大きく異なります。
完全個室型・キューブ型は会話が漏れにくい
密閉された個室になっているため、声が周囲に漏れにくい構造です。一人でのWeb会議や電話、機密性の高い商談に適していますが、施設によっては完全防音ではなく、隣接するブースとの間仕切りの遮音性能に差があるため、契約前の内見で実際の音の伝わり方を確認しておく必要があります。
ブース型・ボックス型は施設ごとに会話可否が異なる
仕切りのある半個室席で、施設によって会話が可能な場合と不可な場合があります。会話不可の施設を集中作業用に、会話可能な施設を短時間の電話対応用にと使い分けるのが基本ですが、利用規約を確認せずに機密情報を含む通話をしてしまうトラブルも起きやすいタイプです。
オープンスペース型・会議室型は不特定多数の目に触れるリスクがある
座席自由で施設によって会話可能なオープンスペース型は、パソコン画面の覗き見や、離席時の書類・端末の置き忘れによる情報漏えいリスクが相対的に高くなります。会議室型は複数人での商談に向いていますが、密閉された個室であっても、共用部分に不特定多数が出入りする施設では、入退室時の会話内容が漏れる可能性は残ります。
情報セキュリティの観点から確認すべきチェックポイント
施設タイプの違いを理解したうえで、契約前に確認しておくべき具体的なチェックポイントを押さえておく必要があります。
不特定多数の出入りとネットワーク環境
カフェのように不特定多数が自由に出入りできる施設か、法人登録会員制で利用者が限定されている施設かによって、リスクは大きく変わります。あわせてWi-Fiが専有か共有か、有線LANの提供があるかどうかも、機密情報を扱う業務であれば必ず確認すべき項目です。
コピー機・エントランスなど周辺設備のセキュリティ
個室内だけでなく、共用のコピー機に印刷物が放置されるリスクや、スペースのエントランスに入退室管理があるかどうかも、施設選定時のチェックポイントになります。これらは公式サイトの説明だけでは分からないことが多く、内見時に確認しておくのが確実です。
社内規程と照合したうえでの利用ルール策定
会社としての情報セキュリティ規程と照合し、在宅勤務以外のワークスペースにどのような条件を設定するかを事前に決めておく必要があります。「顧客の個人情報を含む案件は完全個室型のみ利用可」「オープンスペース型では画面フィルターの装着を必須にする」といった具体的な利用ルールを、規程に落とし込んでおくことが重要です。
複数のタッチダウンオフィスを従業員に使わせる際の管理課題
セキュリティ基準を満たす施設を選んでも、複数のサービスを従業員に使わせる運用には別の課題が伴います。
サービスごとに利用制限機能の有無が異なる
大手が提供するタッチダウンオフィスサービスは、法人契約を結ぶと従業員登録・予約・利用実績を管理画面で確認できますが、提携先を含めたすべての施設を無条件で使わせてよいのか、利用制限をかけられる機能が付いているかはサービスによって異なります。カフェやカラオケボックスのような、本来オフィス用途を想定していない業態と提携しているサービスもあるため、従業員が使える施設の範囲を会社側であらかじめ絞り込んでおく仕組みが必要です。
複数社と契約する場合は利用実績の把握が分散する
セキュリティ基準の異なる複数のタッチダウンオフィスサービスを併用すると、どの従業員がどの施設をいつ利用したかという実績が契約先ごとに分散し、インシデント発生時の追跡や利用状況の定期的な棚卸しが難しくなります。会議室・ワークスペースの手配から利用実績・請求までを一つの窓口で横断的に管理できる仕組みを使えば、この分散を避けられます。オフィス以外の会場手配まで含めて一本化したい場合は、1Approval MICE・イベントの詳細を見るも参考になります。
複数のサービスを併用する場合、セキュリティ以前に契約と請求の管理が負担になります。その実態と軽減策はサテライトオフィスを複数契約する際の管理負担と解決策で扱っています。
施設タイプごとの性格の違いをあらためて押さえたい場合は、フレキシブルオフィスの選び方|種類と比較のポイントをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
タッチダウンオフィスで最も情報漏えいリスクが低い施設タイプはどれですか?
完全個室型・キューブ型が相対的にリスクが低いタイプです。ただし施設によって遮音性能に差があるため、契約前に実際の音の伝わり方を内見で確認しておくことをおすすめします。
オープンスペース型のタッチダウンオフィスを使う際の注意点は何ですか?
パソコン画面の覗き見や離席時の書類・端末の置き忘れによる情報漏えいリスクが相対的に高くなります。画面フィルターの装着や、機密情報を扱う案件では利用を避けるといった社内ルールをあらかじめ定めておくことが重要です。
複数のタッチダウンオフィスサービスを併用する際に気を付けることは何ですか?
サービスごとに利用制限機能や管理画面が異なるため、従業員が使える施設の範囲を会社側で絞り込む仕組みと、利用実績を横断的に把握できる管理体制を整えておく必要があります。
監修
伏見 匡矩
株式会社エイチ 代表取締役社長
株式会社エイチ代表取締役社長。出張手配・会場手配の実務を起点に、申請・承認から購買実行までを一体で扱う1Approvalを立ち上げ、事業責任者としてプロダクト設計に携わる。スペースコンシェルジュ事業では、会議室・イベントスペースの会場手配を累計30,000件以上担当。手配側の実務から、会場選定・承認・請求の課題を扱っている。
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