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出張・トラベル

出張手配とは|4つの方法と消える工数

出張手配の方法は、本人手配・総務の代行・旅行会社への委託・BTMの4つです。出張1件195分という自社の実測内訳をもとに、それぞれでどの工程が消えてどれが残るのかを比べます。代行に出しても工数が「移るだけ」で消えない場合があること、立替が消えるかは手配先ではなく支払手段で決まること、そして承認者の40分だけは手配方法を変えても消えない理由を整理します。

出張手配とは|4つの方法と消える工数

「出張手配を効率化したい」という相談で、最初に出てくる案はたいてい同じです。総務がまとめて予約するか、旅行会社に任せるか。

どちらも効果はあります。ただし、消える工数と、ただ移動するだけの工数が混ざっています。ここを分けずに進めると、総務の負荷だけが増えて終わります。

本記事では、出張1件にかかる195分という自社の実測内訳をもとに、4つの手配方法でどの工程が消えてどれが残るのかを工程単位で比べます。

結論を先に書きます。承認者の40分は、手配先を変えても消えません。

この記事の要点

  • 出張手配の方法は4つ。本人手配/総務の代行/旅行会社への委託/BTM
  • 代行は「消える」とは限らない。 総務が代行する場合、見積り比較と本予約は出張者から総務へ移るだけで、組織全体の工数は減らない
  • 立替が消えるかどうかは、手配先ではなく支払手段で決まる。 旅行会社に頼んでも、本人がカードで払えば立替は残る
  • 最も大きい工程は承認者の40分。これは価格変動による取り直しと再確認を含んだ時間で、承認と予約がつながって初めて消える
  • 選ぶ基準は規模ではなく件数と変更の多さ。年間数件なら本人手配のままでよい

出張手配とは

出張手配とは、出張に必要な移動と宿泊を確保する一連の作業を指します。航空券・新幹線・ホテル・レンタカーの予約が中心ですが、実務ではその前後も含みます。

  • 前:規程に収まる条件を調べ、見積りを比較する
  • 中:予約する(承認前の仮押さえを含むことがある)
  • 後:支払いと、証憑を集めて精算する

「予約」だけを指して手配と呼ぶと、前後の作業が見えなくなります。効率化の議論でずれが生じるのは、たいていここです。

手配の方法は4つ

方法誰が予約するか支払い
本人手配出張者本人本人が立替、後日精算
総務・秘書が代行総務・秘書法人カードや請求書払いにできる
旅行会社(TMC)に委託旅行会社法人一括請求が一般的
BTM(出張管理システム)出張者がシステム上で予約法人一括請求

この4つは排他ではありません。国内は本人手配、海外だけ旅行会社、という併用も普通です。

工程で比べる

出張1件の工数は何分か|「85%削減」の算出根拠で、出張1件を11工程に分けて計測しています。合計195分のうち、手配方法で変わる主要な5工程を取り出します。

工程時間誰の時間か
見積り取得・比較30分出張者
承認取得後の本予約20分出張者
立替・出張後精算20分出張者
経理の処理(精算チェック+仕訳)30分経理
事前出張承認40分承認者

これを4つの方法に当てはめます。

見積り比較本予約立替・精算経理の処理承認者の承認
本人手配残る残る残る残る残る
総務が代行移るだけ移るだけ残る残る残る
旅行会社に委託消える消える消える※残る残る
BTM+承認連動消える消える消える消える消える

※法人一括請求にした場合。

「代行」と「消える」は違う

表のうち、いちばん誤解されやすいのが2行目です。

総務が代行しても、組織全体の工数は減りません。 出張者の30分と20分が、総務の30分と20分になるだけです。しかも代行する側は複数人ぶんを抱えるため、繁忙期に詰まります。

それでも総務代行に意味がある場合はあります。

  • 支払手段を変えられる:法人カードや請求書払いに寄せれば、立替と証憑回収が消える
  • 規程違反を事前に止められる:予約する人が規程を知っているため
  • 価格をそろえられる:同じ区間を毎回同じ条件で取れる

つまり総務代行の価値は工数削減ではなく統制にあります。この観点は出張旅費の統制|手配を個人任せにしない設計で扱っています。工数削減を期待して総務代行に寄せると、期待が外れます。

立替が消えるかは、支払手段で決まる

もう1つ混同されやすいのが、手配先と支払手段です。

旅行会社に手配を頼んでも、支払いが本人のカードなら立替は残ります。逆に本人手配でも、法人カードを配れば立替は発生しません。

立替が残ると、次の工程がまとめて残ります。

  • 領収書の保管と提出(出張者)
  • 証憑の照合と規程チェック(経理)
  • 振込処理(経理)

手配の話として相談されるが、実際には支払手段の話だったというケースは少なくありません。支払手段ごとの違いは立替精算をなくす方法|法人カード・一括請求の違いで整理しています。

承認者の40分が消えない理由

5工程で最も大きいのは、承認者の40分です。承認ボタンを押す時間ではありません。価格変動による取り直しと再確認を含んだ時間として計上しています。

起きていることはこうです。

  1. 出張者が見積りを取り、その金額で申請する
  2. 承認待ちの間に、航空券やホテルの価格・在庫が変わる
  3. 出張者が取り直し、再申請する
  4. 承認者がもう一度確認する

この往復が承認者の時間を押し上げます。そして重要なのは、手配を誰に任せてもこの往復は消えないことです。旅行会社に頼んでも、承認が下りるまでに価格が動けば同じことが起きます。

消える条件は1つだけです。承認と予約が同じ仕組みの上でつながっていること。 承認された瞬間にその条件で確定するなら、取り直しも再確認も発生しません。

再予約が多発する構造は出張申請の手動再予約はなぜ多発するのかで詳しく扱っています。

どれを選ぶか

規模ではなく、件数と変更の多さで決まります。

状況向いている方法
年間数件、行き先も固定本人手配のまま。仕組みを入れるコストが回収できない
件数は少ないが規程違反が心配総務代行。工数は減らないが統制は効く
海外・複雑な行程が多い旅行会社に委託。手配手数料より工数の削減幅が大きい
件数が多く、変更も多いBTM+承認連動。承認者の40分が効いてくる

BTMを選ぶ場合の比較軸は法人出張管理BTM13社比較|選び方の6つの視点にまとめています。

最初にやることは、自社の年間出張件数を数えることです。 件数が分からないまま手配方法を変えても、効果が測れません。

よくある質問(FAQ)

出張手配とは何を指しますか?

出張に必要な移動と宿泊を確保する一連の作業です。航空券・新幹線・ホテルなどの予約が中心ですが、実務では事前の見積り比較と、事後の支払い・証憑回収まで含めて考えないと、効率化の効果を見誤ります。

総務が代行すれば工数は減りますか?

組織全体では減りません。出張者の見積り比較30分と本予約20分が、総務の時間に移るだけです。ただし支払手段を法人カードや請求書払いに変えられるため、立替と証憑回収は消せます。総務代行の価値は工数削減より統制にあります。

旅行会社に委託すれば立替はなくなりますか?

支払いを法人一括請求にすればなくなります。手配を委託しても支払いが本人のカードのままなら、立替も精算も残ります。立替が消えるかどうかは手配先ではなく支払手段で決まります。

出張手配を自動化するとどれくらい工数が減りますか?

自社の実測では、出張1件195分のうち165分が削減対象です。ただしこれは11工程すべてが手作業の企業を基準にした数字で、規程が整備済みだったりBTM契約済みだったりすると、現状工数そのものが小さいため削減幅も小さくなります。

いちばん工数がかかる工程はどこですか?

承認者の事前承認で40分です。承認ボタンを押す時間ではなく、価格変動による取り直しと再確認の往復を含んだ時間です。

承認者の工数はどうすれば減らせますか?

承認と予約を同じ仕組みの上でつなぐことです。承認された条件でそのまま予約が確定するなら、価格が動いて取り直す往復が起きません。手配先を変えるだけでは、この工程は減りません。

出張が年に数件しかない会社でも仕組みは必要ですか?

必要ありません。件数が少なければ、仕組みを導入・維持するコストのほうが削減額を上回ります。まず年間件数を数えて、1件あたりの削減時間と掛け合わせてから判断してください。

国内と海外で手配方法を分けてもよいですか?

一般的です。国内は本人手配やBTM、海外は旅行会社に委託という併用はよく見られます。ただし支払手段が分かれると経理側の処理が二重になるため、請求の受け方だけはそろえておくと負担が小さくなります。

1Approvalでの実現方法

1Approvalが扱うのは、承認と手配をつなぐ部分です。

申請が承認された時点で、その条件のまま手配に進みます。承認待ちの間に価格が動いて取り直す、という往復が構造的に起きません。前述の承認者40分が削減対象になるのは、この連動があるためです。

費用は法人一括請求にまとまるため、立替と証憑回収も発生しません。経理側の精算チェックと振込処理が対象から外れます。

一方で、残る工程もはっきりしています。事前申請の20分、出張報告の5分、精算承認の一部5分は残ります。これらは業務判断そのもので、自動化の対象にしていません。「全部なくなる」とは書けません。 195分のうち30分は残る、というのが実測にもとづく答えです。

内訳と計算式は出張1件の工数は何分か|「85%削減」の算出根拠で公開しています。

まとめ

出張手配の方法は4つです。本人手配/総務の代行/旅行会社への委託/BTM。

工程で比べると、見え方が変わります。総務が代行しても、見積り比較と本予約は移るだけで消えません。 総務代行の価値は工数削減ではなく統制です。ここを取り違えると、総務の負荷だけが増えます。

立替が消えるかどうかは、手配先ではなく支払手段で決まります。 旅行会社に頼んでも、本人のカードで払えば立替も精算も残ります。

そして最大の工程である承認者の40分は、手配先を変えても消えません。価格変動による取り直しと再確認が含まれているためで、承認と予約がつながって初めて消えます。

最後に順番です。手配方法を決める前に、自社の年間出張件数を数えてください。 1件あたりの削減時間に件数を掛けないと、どの方法が見合うかは判断できません。年間数件なら、本人手配のままが正解です。

主な参照先

※本記事の工数は自社が計測した標準時間であり、業種・規程・出張の内容によって変わります。導入効果の見積もりは自社の条件で再計算してください。

監修

伏見 匡矩

伏見 匡矩

株式会社エイチ 代表取締役社長

  • 国内旅行業務取扱管理者

株式会社エイチ代表取締役社長。出張手配・会場手配の実務を起点に、申請・承認から購買実行までを一体で扱う1Approvalを立ち上げ、事業責任者としてプロダクト設計に携わる。国内旅行業務取扱管理者。出張手配の実務とBTM各社の比較検証を踏まえ、承認・予約・精算をつなぐ設計を扱っている。

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