kintoneライト・スタンダード・ワイドの違いを徹底比較
kintoneの3コース(ライト・スタンダード・ワイド)の料金・機能・特徴の違いを比較表で整理。ライトコースで使えない拡張機能とkintone AI、ワイドコースの1000ユーザー要件、コース変更時の注意点まで、選定担当者向けに解説します。
kintoneの導入検討で最初に決めるのがコース選びです。ライト・スタンダード・ワイドの3つがあり、1ユーザーあたり月額1,000円・1,800円・3,000円(いずれも税抜)と価格差があります。ただし、この差額だけを見て選ぶと後で困ります。ライトコースは後から拡張できない範囲が明確に決まっているからです。本記事では、3コースの違いを料金・機能・特徴の観点で整理し、選定時に見落としやすいポイントまで解説します。
※ 本記事の料金・仕様は2026年9月時点の公開情報にもとづきます。最新の条件はサイボウズ社の公式サイトをご確認ください。
kintone 3コースの違いを一覧で比較
まずは全体像です。判断に効く項目だけを抜き出すと、次のようになります。
| 比較項目 | ライト | スタンダード | ワイド |
|---|---|---|---|
| 月額(1ユーザー・税抜) | 1,000円 | 1,800円 | 3,000円 |
| 年額(1ユーザー・税抜) | 12,000円 | 21,600円 | 36,000円 |
| 最小契約ユーザー数 | 10 | 10 | 1,000 |
| kintone AI | × | ○ 月500クレジット×人数 | ◎ 月1,000クレジット×人数 |
| 拡張機能(API・プラグイン等) | × | ○ | ○ |
| 大規模利用向け機能 | × | × | ○ |
| アプリ数 | 200 | 1,000 | 3,000 |
| スペース数 | 100 | 500 | 1,000 |
| ポータル追加 | なし | 3枚 | 10枚 |
| APIリクエスト上限(1日) | - | 1万回 | 10万回 |
| ディスク容量 | ユーザー数×5GB | ユーザー数×5GB | ユーザー数×5GB |
| サポート | チャット・メール | +電話 | +電話 |
初期費用はいずれも無料、1か月から契約でき、30日間の無料お試しも用意されています。
3コースに共通する「kintoneの本体機能」
価格差ばかりが目立ちますが、kintoneの中心的な機能はどのコースでも使えます。ノーコードでのアプリ作成、フォームの項目設計、一覧・グラフでの集計、プロセス管理(承認ワークフロー)、アクセス権設定、スペースでのコミュニケーション、変更履歴、モバイルアプリ——これらはライトコースでも制限なく利用できます。
つまり、「kintoneでアプリを作って申請・承認を電子化する」という基本的な使い方だけなら、ライトコースで成立します。差が出るのは、そこから先の外に広げる部分です。
差が出るのは「外部とつなぐ」「AIを使う」「大規模に使う」の3点
- 外部とつなぐ:API・Webhook・プラグイン・JavaScriptカスタマイズ・外部サービス連携は、スタンダード以上でのみ利用できます
- AIを使う:kintone AIはスタンダード以上が対象。ライトコースでは有効化できません
- 大規模に使う:ワイドコース限定の大規模利用向け機能(ポータル強化・プロセス管理強化・アプリ分析など)と、10万回/日のAPI上限
この3つのどれかに該当するかどうかで、選ぶべきコースはほぼ決まります。
ライトコースの特徴|安いが「拡張できない」ことの意味
月額1,000円・10ユーザーから、標準機能はひととおり使える
ライトコースは1ユーザー月額1,000円、最低10ユーザーから。10人で契約すれば月10,000円(税抜)です。アプリは200個、スペースは100個まで作成でき、部署単位で申請業務を電子化する程度であれば十分な容量です。サポートはチャットとメールに限られ、電話サポートは対象外です。
使えないもの:API・Webhook・プラグイン・JavaScriptカスタマイズ
ライトコースで使えないものは明確です。
- プラグイン:kintoneには300種類以上のプラグインが提供されていますが、ライトコースでは一切利用できません
- JavaScript/CSSカスタマイズ:画面のカスタマイズができず、標準機能の範囲内での運用になります
- API・Webhook:会計システム、経費精算システム、名刺管理、チャットツールなど、外部サービスとのデータ連携が一切できません
「kintone内で完結する業務だけをやる」という前提であれば問題になりません。しかし、kintoneを導入する企業の多くは、遅かれ早かれ「会計システムとつなぎたい」「Excelの取り込みを自動化したい」という話になります。そのときにライトコースだと、選択肢が残っていない状態になります。
kintone AIもライトコースでは使えない
2026年6月に正式提供が始まったkintone AI(検索AI、レコード一覧分析AI、スレッド要約AI、アプリ作成AI、アプリ設定レビューAI、プロセス管理設定AIなど)は、スタンダードコースまたはワイドコース、およびチーム応援ライセンスが対象です。ライトコースと開発者ライセンスでは利用できません。
kintone AIで何ができるかは、kintone AIの製造現場での活用法やkintone AIの建設現場での活用法で具体的に解説しています。蓄積したテキストデータの活用を少しでも視野に入れているなら、この時点でライトコースは選択肢から外れます。
ライトコースが向いているケース
- 部署単位・10〜30名程度の限定的な範囲で使う
- 紙やExcelの申請書をkintoneに置き換えることが目的で、他システムとの連携は予定していない
- まずは小さく始めて、必要になったらスタンダードに切り替える前提がある
最後の点は重要です。ライト→スタンダードへのコース変更は可能なので、「将来使うかもしれないが今は不要」という状態であれば、ライトから始める判断も成り立ちます。
スタンダードコースの特徴|実務で選ばれる標準解
月額1,800円、拡張機能とkintone AIが解禁される
スタンダードコースは1ユーザー月額1,800円、最低10ユーザーから。ライトとの差額は1人あたり月800円で、10人なら月8,000円、30人なら月24,000円です。この差額で、プラグイン・API・Webhook・JavaScriptカスタマイズ・外部サービス連携・kintone AIのすべてが使えるようになります。
アプリ数は1,000個、スペースは500個、ポータルの追加は3枚まで。APIリクエストは1アプリあたり1日1万回までです。電話サポートも利用できます。
kintone AIは「ユーザー数×500クレジット」
スタンダードコースのAIクレジットは、契約ユーザー数×500クレジット/月。全ユーザーで共有して消費します。消費量は検索AI・レコード一覧分析AI・スレッド要約AIが1回10クレジット、アプリ作成AI・プロセス管理設定AI・アプリ設定レビューAIが1回1クレジット、レコードの音声入力AIが5クレジットです。

30ユーザーなら月15,000クレジット=分析系1,500回分です。クレジットは毎月月初にリセットされ繰り越しはできません。100%に達すると月末まで利用できなくなり、70%・80%・90%の各時点で管理者に通知されます。追加クレジットの購入は2026年秋頃に有償オプションとして提供予定です。
外部システムとの連携が前提なら、実質これ一択
会計システム、経費精算、購買・発注、勤怠、SFA——kintoneを業務の中心に据えるなら、どこかで必ず外部システムとつながります。API・プラグインが使えるかどうかは、「後から追加できる機能」ではなく「コースの選択そのもの」です。迷ったらスタンダードを選ぶ、という判断で大きく外すことはありません。
ワイドコースの特徴|1,000ユーザー以上の全社展開向け
最低1,000ユーザーからという前提条件
ワイドコースは1ユーザー月額3,000円ですが、最小契約ユーザー数が1,000です。つまり、月額300万円(税抜)からのプランということになります。1,000名未満の企業は、そもそも契約対象になりません。ここが3コースの中で最も大きな分岐点です。
大規模利用向け機能とAPI上限の引き上げ
ワイドコースでは、スタンダードの機能に加えて、大規模利用を想定した機能が使えます。ポータル表示を強化する機能、プロセス管理を強化する仕組み、アプリの利用状況を分析する機能などが該当します。また、アプリ数3,000個、スペース1,000個、ポータル追加10枚、APIリクエスト上限は1日10万回と、スタンダードの10倍に引き上げられます。
kintone AIのクレジットも、ユーザー数×1,000クレジットとスタンダードの倍です。1,000ユーザーなら月100万クレジットになります。
ワイドコースが向いているケース
- 1,000名以上の全社規模でkintoneを展開する
- 複数拠点・複数部門で数千アプリを運用し、ガバナンスと利用状況の可視化が必要
- 全社ポータルを部門ごとに出し分けたい
- 外部システムとのAPI連携が大量に発生し、スタンダードの1万回/日では足りない
逆に言えば、ユーザー数が1,000名に届かない企業にとっては、ワイドコースは検討対象になりません。実務上の選択は「ライトかスタンダードか」の二択になります。
どのコースを選ぶべきか|判断フロー
Q1. 契約ユーザー数は1,000人以上か
1,000人以上ならワイドコースが選択肢に入ります。未満なら自動的にライトかスタンダードの二択です。
Q2. 拡張機能・kintone AIを使う予定があるか
次のいずれかに1つでも当てはまるなら、スタンダードコース以上が必要です。
- プラグインを使いたい(入力チェック、帳票出力、カレンダー表示など)
- API・Webhookで外部システムと連携したい
- JavaScriptで画面をカスタマイズしたい
- kintone AIでデータを分析・検索したい
- 会計・経費精算・購買システムとつなぎたい
該当がなければライトコースで足ります。ただし、「今は該当しないが1年後はわからない」という状態なら、差額は1人あたり月800円です。この金額で拡張の選択肢をすべて確保できると考えれば、スタンダードを選んでおくほうが結果的に安くつくケースが多いでしょう。
コース変更・ユーザー数変更は後からできる
ライトからスタンダードへのコース変更は可能です。また、ユーザー数の増減も契約期間中に対応できます。ただし、コース変更のタイミングや年額契約中の扱いは契約条件によるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
アカデミック・ガバメント・チーム応援ライセンス
学校法人や公共団体向けのアカデミック/ガバメントライセンス、特定非営利活動法人などを対象としたチーム応援ライセンスも用意されています。チーム応援ライセンスではkintone AIのクレジットが月500クレジットとなります。該当する組織であれば、通常コースより有利な条件になる可能性があるため、あわせて確認してください。
コース選定で見落としやすい実務上のポイント
「承認までは標準機能、その先は外部連携」という境界
kintoneのプロセス管理は、どのコースでも使えます。金額による決裁者の分岐、複数承認、差し戻しといった承認フローは、ライトコースでも構築できます。設定手順はkintoneで承認ワークフロー(プロセス管理)を設定する方法で解説しています。
問題は、承認が終わったあとです。承認済みの内容をもとに発注する、会計システムに仕訳を起こす、経費精算に連携する——ここから先はすべて外部連携の領域であり、ライトコースでは手作業になります。「承認までは無料の範囲で電子化できるが、承認後は人力」という構造が、コース選択によって固定されてしまう点に注意が必要です。
承認後の購買・手配まで自動化するならスタンダード以上が前提
1Approval for kintoneは、kintone上の承認プロセスと購買・出張手配の実行を直結させるサービスです。承認が完了すると同時に発注データが確定するため、承認後に担当者が発注作業を行う工程そのものがなくなり、承認者・承認日時・発注内容が同一レコード上に記録されます。法人決済の仕組みを通じて手配されるため、従業員の立替精算も不要になります。
こうした外部サービスとの連携はAPIを前提とするため、利用にはスタンダードコース以上が必要です。購買や経費精算の工数削減までを視野に入れてkintoneを導入するなら、この時点でコースはスタンダード以上に決まります。具体的な連携内容は1Approval for kintoneの詳細をご確認ください。
ユーザー数の数え方と、ゲストユーザーの扱い
料金はユーザー数に比例します。協力会社や取引先など社外の関係者とkintoneでやり取りする場合は、ゲストユーザーとして招く方法があり、通常のユーザーとは別枠で管理されます。社外関係者の人数が多い場合は、ここの設計で総額が変わるため、契約前に整理しておくとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
ライトコースからスタンダードコースへ変更できますか?
変更できます。ただし変更可能なタイミングや年額契約中の精算方法は契約条件によるため、事前に確認してください。
ライトコースでプラグインを使う方法はありますか?
ありません。プラグインの利用はスタンダードコース以上の機能です。回避策はないため、プラグインが必要ならスタンダードを選んでください。
ワイドコースは1,000人未満でも契約できますか?
できません。最小契約ユーザー数が1,000ユーザーに設定されています。
kintone AIを使うだけのためにスタンダードにする価値はありますか?
蓄積したテキストデータ(日報、問い合わせ、報告書など)が相応の量あるなら、検討する価値があります。差額は1人あたり月800円で、スタンダードなら1人あたり月500クレジット=分析系50回分が付与されます。詳しくはkintone AIの製造現場での活用法をご覧ください。
無料で試せますか?
30日間の無料お試しが用意されています。試用期間中のAIクレジットは500クレジットです。
まとめ
kintoneの3コースは、ライト1,000円・スタンダード1,800円・ワイド3,000円(1ユーザー月額・税抜)で、ワイドは最低1,000ユーザーからという前提があるため、1,000名未満の企業にとっては実質「ライトかスタンダードか」の二択になります。判断基準は明確で、プラグイン・API・Webhook・JavaScriptカスタマイズ・kintone AIのいずれかを使うならスタンダード以上が必要です。ライトコースはこれらが一切使えず、後から機能追加もできません。差額は1人あたり月800円。外部システムとの連携や承認後の購買・経費処理の自動化まで視野に入れているなら、最初からスタンダードコースを選んでおくのが現実的な選択です。
監修
伏見 匡矩
株式会社エイチ 代表取締役社長
株式会社エイチ代表取締役社長。出張手配・会場手配の実務を起点に、申請・承認から購買実行までを一体で扱う1Approvalを立ち上げ、事業責任者としてプロダクト設計に携わる。承認されたあとの購買・手配をどう自動化するかという観点から、kintoneを基盤とした申請・承認の設計を扱っている。
経歴・運営者情報を見るこの記事のテーマ
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