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intra-mart ワークフローとは?料金と向く規模

intra-martは「ワークフロー製品」ではなく、IM-Workflowというワークフローエンジンを持つ開発基盤です。そのためパッケージ製品と同じ表で比較すると判断を誤ります。Accel-Mart Quickの月額15,400円からAccel-Mart Plusの273,500円まで約18倍の価格の断層、稟議型ワークフローの設計、そしてどの規模から見合うのかを公開情報から整理します。

intra-mart ワークフローとは?料金と向く規模

ワークフローシステムを比較していると、必ずintra-martの名前が出てきます。そして比較サイトの表では、月額500円や800円といった数字が他の製品と並んで載っています。

この並べ方が、最初の読み間違いの原因です。intra-martはワークフロー製品ではなく、IM-Workflowというワークフローエンジンを持つ開発基盤です。同じ表に入れて機能と単価を比べると、何を買うことになるのかが見えません。

本記事では公開情報をもとに、この製品が何であるかを整理したうえで、料金の構造とどの規模から見合うのかを扱います。価格には約18倍の断層があり、そこが実質的な選定の分かれ目になります。

この記事の要点

  • 提供元は株式会社NTTデータ イントラマート。IM-Workflowは単体製品ではなく、intra-mart Accel Platformというローコード開発基盤のワークフローエンジンです。
  • ワークフロー市場で18年連続シェアNo.1、導入1万社以上と公表されています。金額ベースのワークフロー市場シェアでも9年連続首位とされています。
  • 機能面の特徴は稟議型のルート設計。実行中の案件でもルートを編集でき、編集できる領域と変更できない領域を分けて内部統制に対応します。
  • クラウドの入口はAccel-Mart Quick。1ユーザー月額770円で最低20ユーザーのため、最小構成は月額15,400円です。ただしカスタマイズと独自運用はできません。
  • 上位のAccel-Mart Plusは最小構成(Standardサーバー・Smallプラン)で月額273,500円から。約18倍の断層があり、中間がありません。
  • オンプレミスのライセンスは2023年4月から年間利用型のCustomer Success Licenseに移行し、永続ライセンスの新規販売は終了しています。
  • 向くのは申請の種類が多く、作る人がいる組織。申請が数種類で作る人がいないなら、パッケージ製品のほうが速くて安く済みます。

intra-martとは何なのか

項目内容
提供元株式会社NTTデータ イントラマート
製品の性格ローコード開発基盤。intra-mart Accel Platform(iAP)
ワークフローIM-Workflow。基盤の機能のひとつ
実績ワークフロー市場で18年連続シェアNo.1、導入1万社以上と公表
提供形態オンプレミス(年間利用型ライセンス)/クラウド(Accel-Mart Quick・Plus)

押さえるべきはここです。IM-Workflowを単体で買うことはできません。基盤を導入した結果として、その中にワークフローエンジンが入っています。

これは欠点ではなく設計思想です。承認だけを電子化するのではなく、承認を含む業務システム全体を作るための土台という位置づけです。モジュールを足してBPM(IM-BPM)や画面開発(IM-BloomMaker)を使う構成になります。

汎用のワークフロー製品がどういう分類になるかはワークフローシステム比較|3タイプの違いと選び方で整理しています。intra-martは3つ目の「業務アプリを作る基盤の上でワークフローも組む型」の代表例です。kintoneと同じ分類に入りますが、想定する規模と作り込みの深さが違います。

IM-Workflowの機能:稟議型のルート設計

機能面でintra-martが明確に強いのは、稟議型のルート設計です。

公表されている特徴はこうです。

申請者または承認者が実行中の案件であっても、ルートを任意に編集可能とする。編集可能な領域と変更を行えない領域を定義することで内部統制にも対応する。

これは実務的に効く部分です。日本の稟議では「申請を出したあとで、この件は法務も見ておいたほうがいい」という判断が頻繁に起きます。多くの製品ではルートは申請時に確定するため、こういう場合は差し戻して出し直すことになります。

IM-Workflowは動いている案件のルートを途中で変えられる設計です。そのうえで「ここは変えられる、ここは変えられない」を定義できるため、内部統制と柔軟性が両立します。

承認ルートの型そのものの整理はワークフローの種類|承認ルートと提供形態で扱っています。IM-Workflowが強いのは、そこで言う指名型と条件分岐型を運用中に切り替えられる部分です。

多段階の稟議をどう設計するかは多段階承認と稟議ルートの設計も参考になります。段数が深く、例外が多い組織ほど、この機能の価値が出ます。

料金の構造:約18倍の断層

ここが本記事の核心です。公開されている価格を並べます。

提供形態料金前提
Accel-Mart Quick1ユーザー月額770円。最低20ユーザー → 最小構成 月額15,400円ローコード開発・ワークフロー・スプレッドシートに機能を絞り込み。カスタマイズと独自運用は不可
Accel-Mart Plus最小構成(Standardサーバー・Smallプラン)で月額273,500円全社規模でのシステム開発と運用
オンプレミス個別見積2023年4月から年間利用型「Customer Success License」

15,400円と273,500円の間に、中間の選択肢がありません。 約18倍です。

この構造が意味することは明確です。

  • 定額の範囲で済むなら、Quickは安い — 20人で月額15,400円は、パッケージのワークフロー製品と同等か安い水準です
  • 少しだけ作りたい、は成立しない — Quickはカスタマイズ不可、Plusは273,500円から。「要件が1つ足りないので作り込む」という判断をした瞬間に、桁が変わります

したがって検討の順序は、まずQuickの標準機能で足りるかを確認することになります。足りるなら安い。足りないなら、一気にエンタープライズの見積もりの話になります。

総額の出し方そのものはワークフローシステムの費用相場|総額の出し方で整理しています。intra-martの場合、ライセンス以外に構築費が乗る前提で見積もる必要があります。開発基盤なので、作る工数が別に発生します。

Accel-Mart Quickの位置づけ

2021年9月30日に発表されたクラウドサービスです。性格を正確に言うと、intra-martの機能を絞り込んで、作らない人向けにしたものです。

  • 機能はローコード開発基盤・ワークフロー・スプレッドシートに限定
  • プログラミング知識のないユーザーを前提に設計
  • カスタマイズや独自運用は不可
  • 業務テンプレートから画面・ロジック・データベース・ワークフローを自動生成
  • SLAは24時間365日、99.9%の稼働目標。上位版と同等の水準

SLAが上位版と同じという点は評価できます。安い入口の製品で品質が落ちていません。

ただしカスタマイズ不可という制約を軽く見てはいけません。intra-martを選ぶ動機は多くの場合「作り込めるから」です。その動機でQuickを選ぶと、前提が逆になります。Quickを選ぶなら、作らないことを決めて選ぶ必要があります。

ライセンス体系の変更

2022年12月20日、NTTデータ イントラマートはライセンス体系の変更を発表しました。

  • 永続ライセンス(買い切り型)の新規販売を終了
  • 2023年4月から年間利用型のCustomer Success Licenseを提供
  • 以降は年間サブスクリプションと、月額のクラウドサービス(Accel-Mart)のみ

これは検討側にとって無視できない変更です。かつてのintra-martは「初期に大きく払って、あとは保守費」という形でした。現在は毎年払う形です。

5年のTCOで比較していた前提が変わるため、過去の導入事例や比較記事の金額は、そのまま参照できません。古い記事を見て見積もりの感覚を作ると、ずれます。

向く規模・向かない規模

向くのは、申請の種類が多く、作る人がいる組織です。

  • 申請の種類が数十種類あり、それぞれ画面も項目も違う
  • 稟議のルートに例外が多く、運用中の変更が必要になる
  • 情シスまたはパートナーに、作って保守する体制がある
  • 基幹システムや人事システムとの連携が前提

このすべてが当てはまるなら、intra-martは素直な選択です。18年連続シェアNo.1という数字は、この条件に当てはまる企業が多いことの反映です。

向かないのは、申請が数種類で作る人がいない場合です。

  • 稟議と経費精算と購買申請、合わせて5種類くらい
  • 情シスが兼任1名、または不在
  • 既存システムとの連携は会計だけ

この条件なら、ジョブカンワークフローや楽々WorkflowIIのようなパッケージ製品のほうが、立ち上がりが速く総額も読めます。開発基盤は、作るものがあって初めて価値が出ます。

判断が分かれるのは、Quickの標準機能で足りそうな中規模です。20〜100人規模で、業務テンプレートに乗る申請が中心なら、月額15,400円からという水準は競争力があります。ただしここで「あと1つ機能が足りない」が出ると、Plusへの跳躍が待っています。足りないときの逃げ道を、契約前に決めておいてください。

よくある質問(FAQ)

IM-Workflowだけを買えますか?

買えません。IM-Workflowはintra-mart Accel Platformというローコード開発基盤のワークフローエンジンです。基盤を導入した結果として使えるようになります。

比較サイトに載っている月額500円・800円は何ですか?

比較サイト上の表示です。公式に公表されているクラウドの価格は、Accel-Mart Quickが1ユーザー月額770円(最低20ユーザー)、Accel-Mart Plusが最小構成で月額273,500円です。比較サイトの単価だけで総額を見積もらないでください。 開発基盤なので構築費が別に乗ります。

承認ルートを運用中に変えられますか?

IM-Workflowの特徴として公表されています。実行中の案件でもルートを編集でき、編集できる領域と変更できない領域を分けて定義できます。ここは多くのパッケージ製品にない機能です。

永続ライセンスはまだ買えますか?

新規販売は終了しています。2023年4月から年間利用型「Customer Success License」に移行しました。既存の永続ライセンス保有者の扱いは提供元にご確認ください。

Accel-Mart Quickでカスタマイズはできますか?

できません。プログラミング知識のないユーザーを前提とした設計で、カスタマイズや独自運用は不可とされています。作り込みが要るならAccel-Mart Plusまたはオンプレミスになり、価格帯が大きく変わります。

kintoneと何が違いますか?

どちらも「業務アプリを作る基盤の上でワークフローも組む型」ですが、想定規模と作り込みの深さが違います。kintoneは部門から始めて広げる形、intra-martは全社の基幹に近い領域を前提とします。稟議のルート設計の柔軟性ではintra-mart、立ち上がりの速さではkintoneが有利です。

20人未満でも使えますか?

Accel-Mart Quickは最低20ユーザーです。10人で使っても20ユーザー分の月額15,400円がかかります。人数が少ない組織では、1人あたりの実効単価が上がります。

1Approvalでの実現方法

1Approvalは、いま使っている承認ワークフロー(Microsoft 365、Teams、Google Workspace、kintone)の上で、承認が降りた時点で発注や手配まで完了させる仕組みです。

intra-martと扱う場所が分かれています。

埋める領域
intra-mart承認までの設計。複雑な稟議ルートを作り込む
1Approval承認の先の実行。発注・手配を自動で完了させる

intra-martで稟議ルートを精密に作り込んでも、承認が降りたあとに誰かが購買サイトを開いて注文する工程は残ります。そこが1Approvalの範囲です。

  • 承認と発注の間が消える — 承認後に注文し直す工程がなくなります
  • 申請の入口が1つになる — 何をどこで買うかに関わらず同じ場所から申請できます
  • 費用が法人一括請求にまとまる — 従業員の立替と領収書の回収が発生しません
  • 既存の承認基盤をそのまま使う — 作り込んだフローを置き換えません

開発基盤を入れる規模の組織でも、承認の先は手作業で残っていることが多い部分です。

まとめ

intra-martはワークフロー製品ではなく、IM-Workflowというワークフローエンジンを持つローコード開発基盤です。比較サイトでパッケージ製品と並べて単価を見ると、何を買うことになるのかが見えません。

機能面で明確に強いのは稟議型のルート設計です。実行中の案件でもルートを編集でき、編集できる領域と変更できない領域を分けられます。例外の多い日本の稟議に合った設計です。

料金には断層があります。Accel-Mart Quickは最小構成で月額15,400円(1ユーザー770円×最低20ユーザー)ですがカスタマイズ不可。上位のAccel-Mart Plusは月額273,500円から。約18倍で、中間がありません。オンプレミスは2023年4月から年間利用型ライセンスに移行しています。

向くのは申請の種類が多く、作る人がいる組織です。申請が数種類で作る人がいないなら、パッケージ製品のほうが速くて安く済みます。

検討する順序を具体的に書くと、こうなります。まずQuickの標準機能で足りるかを確認し、足りないと分かった時点でPlusまたはオンプレミスの見積もりを取る。 この順序を飛ばして「intra-martで作り込もう」と決めると、最初の見積もりで想定とずれます。

主な参照先

※本記事は2026年10月時点の公開情報をもとに整理したものです。料金は税抜表示で、プランの構成や提供範囲は変更される場合があります。オンプレミスのライセンスおよびAccel-Mart Plusの構成別価格は個別見積のため、最新の内容は提供元にご確認ください。

監修

伏見 匡矩

伏見 匡矩

株式会社エイチ 代表取締役社長

株式会社エイチ代表取締役社長。出張手配・会場手配の実務を起点に、申請・承認から購買実行までを一体で扱う1Approvalを立ち上げ、事業責任者としてプロダクト設計に携わる。承認されたあとの購買・手配をどう自動化するかという観点から、Microsoft 365を基盤とした申請・承認の設計を扱っている。

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