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出張・トラベル

AI Travelとは?特徴・料金・評判を解説

出張管理システム「AI Travel」の提供元・公開されている実績・できること・料金の考え方を整理しました。交通と宿泊を1画面で予約する仕組み、生成AIを使うTravel Intelligence Agent、法人一括請求の範囲、他のBTMと比べた強みと導入前に確認したいポイント、向いている企業までを実務目線でまとめます。

比較表だけでは決めきれないときは、 自社の条件で相談する

AI Travelとは?特徴・料金・評判を解説

出張管理システム(BTM)を比較していると、候補に挙がることが多いのが「AI Travel」です。名前のとおりAIを前面に出したサービスですが、比較サイトを何件か読んでも、実際に何が自動化されるのか、料金がいくらなのか、既存の承認フローとどうつながるのかは見えてきません。掲載されている情報の多くが公式サイトの要約にとどまっているためです。

本記事では、公開されている情報をもとに、AI Travelの提供元、実績、できること、料金の考え方を整理します。そのうえで、他のBTMと比べた強み、導入前に確認しておきたい点、そして承認フローとの接続はどこまで面倒を見てくれるのかという、比較記事では触れられにくい部分まで踏み込みます。

この記事の要点

  • AI Travelは株式会社トランスファーデータが提供する出張管理クラウド。旧社名は株式会社AIトラベルで、2023年7月に社名を変更している。
  • 公開実績は2025年7月時点で350社・12万人以上、年間20万件以上の出張。定着した企業では出張手配の9割以上が同サービス経由になるとしている。
  • 交通と宿泊を1画面で検索・予約でき、立替を前提としない法人一括請求に対応する。
  • 2025年8月に約9億円を調達し、生成AIを使う「Travel Intelligence Agent」を順次実装している。
  • 料金は非公表で問い合わせベース。BTM業界では一般的だが、参考価格を公開しているビズバンスのようなサービスもあるため、比較時は見積もりの取得が前提になる。
  • 手配は完結するが、申請・承認は自社のワークフローに残る。ここをどうつなぐかが導入設計の分かれ目になる。

AI Travelとは?

AI Travelは、株式会社トランスファーデータが提供する出張管理のクラウドサービスです。出張の予約・申請・承認から会計処理までをひとつなぎにすることを掲げています。

提供元は株式会社トランスファーデータ

同社は2023年7月1日に「株式会社AIトラベル」から「株式会社トランスファーデータ」へ社名を変更しました。サービス名がそのまま社名だった状態から、移動データを扱うテクノロジー企業として事業を広げるにあたっての変更と説明されています。出張管理の「AI Travel」のほか、経費精算の「AI Expense」も提供しています。

社名とサービス名が違う点は、比較検討の実務で地味に効きます。 稟議書や契約書に記載する相手先は「株式会社トランスファーデータ」になるため、社内で「AIトラベル社」と呼んだまま進めると、法務確認の段階で照合に手間がかかります。

公開されている実績

2025年7月時点で、350社・12万人以上のビジネスパーソンが利用し、年間20万件以上の出張をサポートしているとされています。あわせて、定着した導入企業では出張手配の9割以上がAI Travel経由になるという数字も公開されています。

この「9割以上」という指標は、BTMを比較するうえで導入社数よりも参考になります。BTMは全社で使われて初めて効果が出る仕組みで、一部の部署だけが使い、残りが従来どおり各自で予約している状態では、データも請求も集まらないためです。BTM13社の比較記事でも触れたとおり、導入社数の多寡は定義がばらばらで横並び比較には使えません。

AI Travelで何ができるのか

予約:交通と宿泊を1画面で

国内外のホテル、航空券、新幹線を同じ画面で検索・比較し、組み合わせて予約できます。公式には最短5分で手配が完了するとされています。

地味ですが、ここは実務の負担に直結します。従来は航空会社のサイトで便を押さえ、別の予約サイトでホテルを探し、両方の予約番号を申請書に転記する、という作業が発生していました。1画面で完結すると、この転記そのものが消えます。

申請・承認と規程

出張申請と予約情報を一元管理し、社内規程に沿った予約を促す仕組みを備えています。役職別の宿泊費上限のような規程を設定しておけば、予約時点で逸脱を抑えられます。

ただし、申請・承認のワークフロー自体をどこまで置き換えるかは、既存の仕組みとの兼ね合いで決まります。すでにkintoneやMicrosoft 365で稟議を回している企業の場合、承認は既存のワークフローに残したまま、手配だけをAI Travelに寄せる構成になることが多くなります。この構成では、承認が終わったあとに誰かがAI Travelを開いて予約する、という手順がどうしても残ります。

精算・請求

出張費は立替を前提とせず、法人への一括請求にまとめられます。月末締め・翌月払いという一般的な法人取引の条件で運用されます。

経費精算側との連携も進んでいて、2025年2月には経費精算システム「バクラク」との連携が開始されています。同社自身の「AI Expense」と組み合わせる選択肢もあります。

立替をなくすことの効果は、金額そのものより証憑の集まり方に出ます。個人が立て替えると領収書の回収が必要になりますが、法人一括請求なら明細が最初から会社側に揃います。この構造は出張旅費の統制でも扱っています。

Travel Intelligence Agent(生成AI)

2025年8月、同社は約9億円の資金調達とあわせて、生成AIを活用する「Travel Intelligence Agent」を順次公開する方針を発表しました。その後、同社は日本初としてこれをリリースしたと発表しています。

サービス名に「AI」が入っている以上ここは注目点ですが、比較の段階では、AIが何を判断し、何を人が決めるのかを具体的に聞いておくべきです。出張手配におけるAIの役割は、候補の提案までなのか、規程に照らした可否判断まで含むのかで、運用設計が変わります。提案までであれば、承認の責任は従来どおり人に残ります。

料金はいくらか

公開されていません。 比較サイトの料金欄もほぼ「ー」で、問い合わせが前提になります。

BTM業界では珍しくない方針です。出張の件数、国内か海外か、有人サポートの範囲で条件が大きく変わるためで、SAP Concurピカパカ出張DXも個別見積もりが基本です。一方でビズバンスのように参考価格を公開しているサービスもあるため、非公開であること自体を減点にせず、見積もりを取って同じ条件で並べるのが現実的です。

見積もりを依頼するときは、次の3点を必ず条件に含めてください。後から追加費用として出てくることが多い部分です。

  • 手配に対する手数料の考え方(1件あたりか、月額か、併用か)
  • 海外出張と国内出張で条件が変わるか
  • 有人サポートの範囲と対応時間(深夜・休日の変更に対応するか)

他のBTMと比べた強みと、確認しておきたいこと

強み

  • 交通と宿泊を1画面で扱える。 国内宿泊に特化したサービスと違い、航空券・新幹線まで同じ画面で完結する
  • 立替を前提としない請求設計。 法人一括請求により、証憑の回収作業が発生しない
  • 定着率を実績として公開している。 導入社数ではなく「手配の9割以上が経由」という指標を出しているのは、BTMの評価軸として誠実である
  • 経費精算側との連携が進んでいる。 バクラク連携のように、外部の精算システムとつなぐ方向にも動いている

導入前の確認ポイント

  • 料金が非公開。 見積もりを取るまで総額が分からないため、比較の初期段階では他社と並べにくい
  • 申請・承認をどちらに寄せるか。 既存のワークフローを残す場合、承認後に手配画面へ移る手順が残る
  • AIが担う範囲。 提案までか、規程判断まで含むかを具体的に確認する
  • 旅行商材の在庫と価格。 BTMは提携する旅行会社の在庫に依存するため、自社の主要な出張先で十分な選択肢があるかを、実際の路線・エリアで確認する

評判はどうか

ITreview、BOXIL、起業LOGといったレビューサイトに製品ページがあり、利用者の投稿を読めます。投稿内容から読み取れる評価の傾向は次のとおりです。

  • 交通と宿泊をまとめて検索できる点が支持されている
  • 画面が分かりやすく、出張者自身が予約できるという声がある
  • 予約後のチャットサポートに言及する投稿がある

一方で、レビューの件数と平均点はサイトごとに異なり、時期によっても動きます。本記事では特定の数値を引用せず、検討時点で各サイトを直接確認することをお勧めします。BTMのように利用者の属性(出張頻度、国内か海外か)で評価が割れやすい製品は、点数よりも「自社に近い規模・業種の投稿が何と言っているか」を読むほうが役に立ちます。

どんな企業に向いているか

向いている企業

  • 国内・海外の出張が両方あり、交通と宿泊をまとめて手配したい
  • 立替精算をなくし、出張費を法人一括請求に寄せたい
  • 出張データを集めて、コストの可視化や分析に使いたい
  • 出張者自身が予約する運用にしたい(手配担当者を置かない)

慎重に検討したい企業

  • 稟議・承認の仕組みを大きく変えたくない。既存のワークフローに手配を接続したいだけ
  • 出張件数が少なく、見積もり条件が合いにくい
  • 宿泊のみで、交通は各自の判断に任せている

よくある質問(FAQ)

AI Travelの運営会社はどこですか?

株式会社トランスファーデータです。2023年7月1日に「株式会社AIトラベル」から社名を変更しています。契約書や稟議書には現社名を記載してください。

AI Travelの料金はいくらですか?

公開されていません。出張の件数、国内・海外の比率、サポート範囲によって条件が変わるため、問い合わせによる個別見積もりが前提です。

どのくらいの企業が使っていますか?

2025年7月時点で350社・12万人以上が利用し、年間20万件以上の出張をサポートしているとされています。

既存の承認ワークフローはそのまま使えますか?

承認を既存のワークフローに残したまま、手配をAI Travelに寄せる構成は可能です。ただしその場合、承認が終わってから手配画面で予約するという手順が残ります。承認と手配を1つの操作にまとめたい場合は、承認基盤側で手配まで完結する仕組みが必要になります。

経費精算システムと連携できますか?

2025年2月にバクラクとの連携が開始されています。同社の「AI Expense」と組み合わせる選択肢もあります。連携範囲は精算システムごとに異なるため、自社の製品で何が自動化されるかを個別に確認してください。

AI Travelとの違い:承認から手配までを一気通貫にする1Approval

AI TravelはBTMとして手配を完結させるサービスで、1Approvalは承認基盤の側から手配をつなぐ仕組みです。競合というより、担当する層が違います。

承認が降りた瞬間に、手配が確定する

BTMを入れても、承認と手配が別々のシステムに分かれていると、「承認が終わったので、次は予約画面を開く」という手順が残ります。この間に席や部屋が埋まれば、取り直しになります。出張申請の手動再予約はなぜ多発するのかで扱ったとおり、これは担当者の不注意ではなく順序の問題です。

1Approvalは、承認が降りた時点で手配まで完了します。承認と実行の間に人の操作が挟まりません。

既存の承認ワークフローを置き換えない

kintone、Microsoft 365、Teams、Google Workspace で既に承認を回している場合、その仕組みを残したまま接続できます。承認ルートの設計をやり直す必要がありません。

精算と請求まで同じ流れで

手配されたデータは経費データとして生成され、会計・経費精算システムへ連携できます。費用は法人一括請求にまとまるため、立替と証憑回収が発生しません。この考え方は出張旅費精算の電子化でも整理しています。

まとめ

AI Travelは、交通と宿泊を1画面で手配でき、立替を前提としない請求設計を持つBTMです。導入社数ではなく「手配の9割以上が経由する」という定着の指標を公開している点は、BTMの評価軸として参考になります。

一方で料金は非公開のため、比較の初期段階では見積もりの取得が前提になります。そして最も見落とされやすいのが、申請・承認をどちらに寄せるかです。既存のワークフローを残す設計では、承認と手配の間に人の操作が残ります。

比較の際は、手配機能の優劣だけでなく「承認が降りてから予約が確定するまでに、誰が何をするのか」を各サービスに同じ条件で聞いてみてください。そこで差が出ます。

主な参照先

※実績・機能・料金の条件は2026年9月時点で確認した公開情報です。条件は変わる可能性があるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。

監修

伏見 匡矩

伏見 匡矩

株式会社エイチ 代表取締役社長

  • 国内旅行業務取扱管理者

株式会社エイチ代表取締役社長。出張手配・会場手配の実務を起点に、申請・承認から購買実行までを一体で扱う1Approvalを立ち上げ、事業責任者としてプロダクト設計に携わる。国内旅行業務取扱管理者。出張手配の実務とBTM各社の比較検証を踏まえ、承認・予約・精算をつなぐ設計を扱っている。

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