kickflowとは?料金と組織改編への強さ
kickflow(株式会社kickflow)は中堅・大企業向けのクラウドワークフローです。最大の特徴は組織図の切り替え予約で、指定日の深夜0時半頃に組織を切り替えられます。組織が変わったときに「直す」「追従させる」「予約する」のどれを取るかという軸で位置づけを整理し、料金が非公開であることの読み方と選定の前提までを扱います。
ワークフロー製品の記事で繰り返し出てくる問題があります。組織が変わると承認ルートが壊れることです。異動のたびに承認者を直し、直し漏れがそのまま承認の停止になる。
この問題への構えは、製品によって3つに分かれます。直すか、追従させるか、予約するか。
kickflowは3つ目です。指定日の深夜0時半頃に組織図を切り替えるよう予約できると公表されています。異動を突発事象ではなく計画事象として扱う設計です。
本記事では公式情報をもとに機能を整理し、この3つの構えの中での位置づけ、そして料金が非公開であることの読み方までを扱います。
この記事の要点
- 提供元は株式会社kickflow(東京都千代田区)。中堅・大企業向けで、上場企業、6,000名規模の学校法人、80社以上のグループ企業への展開実績が公表されています。
- 最大の特徴は組織図の切り替え予約。指定日の深夜0:30頃に組織図を切り替えるよう予約できます。
- あわせて組織図のバージョン管理が機能一覧に含まれており、作成できる組織図の数に制限がないとされています(比較サイト掲載情報)。
- 承認者の指定は上長・チーム・ユーザー・申請者による指名を組み合わせられます。
- 料金は非公開です。スタンダードとエンタープライズの2プランで、初期費用は無料、プランと従業員数に応じた見積もりになります。
- 最低ユーザーライセンス数は50からとされています(比較サイト掲載情報)。これまで扱った製品の中で最低ラインが最も高い水準です。
- 30日間の無料トライアルがあり、トライアル中に作成したデータは契約後も引き継げるとされています。
- セキュリティはISMS(ISO/IEC 27001)認証、SAML 2.0によるSSO、MFA、監査ログ、IPアドレス制限に対応。サービス継続率99.76%が公表されています。
kickflowとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | 株式会社kickflow(東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5階) |
| 対象 | 中堅・大企業 |
| 実績 | 上場企業、6,000名規模の学校法人、80社以上のグループ企業への展開 |
| プラン | スタンダード/エンタープライズ(料金は非公開) |
| 初期費用 | 無料 |
| トライアル | 30日間。作成したデータは契約後も引き継げる |
| サービス継続率 | 99.76% |
自社の導入事例から集計された効果として、次が公表されています。
- 承認リードタイム 7日 → 1日(-86%)
- 紙の申請書 300本 → 20本(-93%)
- ワークフロー開発期間 4ヶ月 → 最短当日
数字の読み方として1つ注意があります。これは提供元が自社の事例から集計した値です。前提となる業務量や組織規模が示されていないため、自社に当てはめる根拠にはなりません。方向性の参考として読んでください。 工数の削減幅を自社で見積もる方法は出張1件の工数は何分か|「85%削減」の算出根拠で扱っています。
組織が変わったときの3つの構え
ここが本記事の中心です。これまで扱った製品を、この軸で並べ直せます。
1. 直す
異動が起きてから、承認者やマスタを修正します。GASで内製した場合や、承認者を個人で直接指定した場合がこれにあたります。
弱点は明確です。修正漏れが、そのまま承認の停止になります。 承認者マスタの設計|組織改編で壊れない承認ルートで整理したとおり、承認者をフローに直書きすると、組織改編のたびに設定本体を触ることになり、触れる人が1人に固定されます。
2. 追従させる
人事情報や「申請者の上長」といった相対参照で、自動的に付いてくる形です。
- jinjer ワークフロー|異動に強い理由と料金 — 役職や所属部署などの人事情報をもとに承認ルートを組む
- X-pointとAgileWorksの違い — AgileWorksのプライベートロールで「申請者から見た相対的な上長」を参照する
前提が2つあります。人事側が更新されていることと、参照で組む設計にしてあることです。製品を入れても、個人を直接指定する形で組めば1番目に戻ります。
3. 予約する
kickflowがここです。変わる日を先に登録しておき、当日に切り替わります。
公式には、指定日の深夜0:30頃に組織図を切り替えるよう予約できると記載されています。
なぜこれが成立するのか。 4月1日付の組織は、3月のうちに決まっているからです。異動は突発事象ではなく計画事象です。だから「起きてから追従する」のではなく「先に入れておく」ことができます。
実務上の違いは切り替えのタイミングに出ます。追従型でも人事側を更新すれば反映されますが、人事の更新が4月1日の朝になるなら、その朝の申請は旧組織で回ります。予約型なら深夜に切り替わっているので、始業時点で新組織です。
あわせて組織図のバージョン管理が機能一覧に含まれており、作成できる組織図の数に制限がないとされています(比較サイト掲載情報)。複数の組織図を並行して持てる形です。
バージョン管理が効くのは監査
これは運用の便利さとは別の価値です。
承認者マスタの設計で書いたとおり、監査で問われるのは、その時点のルートです。現在の値だけを持っていると、過去の承認が当時の組織で正しかったかを再現できません。
組織図のバージョンが残っていれば、2年前の稟議を、当時の組織図で検証できます。 内部統制の観点では、ここが効きます。職務権限規程の作り方|決裁金額の決め方で整理したとおり、規程の存在ではなく規程どおりに運用されていた証跡が評価の対象です。
機能
公式に掲載されている機能を整理します。
| 領域 | 内容 |
|---|---|
| 組織 | 組織図の切り替え予約(指定日の深夜0:30頃) |
| 承認経路 | 上長・チーム・ユーザー・申請者による指名を組み合わせて指定 |
| 引き継ぎ | 申請引き継ぎ — 処理中のチケットを別の担当者へ引き継げる |
| 閲覧権限 | 部署や役職を条件に、チケットの共有範囲を細かく指定 |
| AI | AIフォーム作成、AI入力補助、AIチケット要約 |
| 帳票 | 稟議書をExcelやPDFで出力 |
| チャット連携 | Slack、Microsoft Teams、LINE WORKS、Google Chat |
| 連携 | 100種類以上のAPIとSaaS連携(kintoneなど) |
| セキュリティ | ISMS(ISO/IEC 27001)認証、TLS暗号化、MFA、SAML 2.0によるSSO、監査ログ、IPアドレス制限 |
比較サイトの掲載情報では、さらに「部・室・課の混合」「複数階層」「兼務」といった複雑な組織構造に対応し、金額や条件に応じた多重分岐ができるとされています。ただし公式ページには「バージョン管理」「兼務対応」の明記がありませんでした。 要件として重要なら、提供元に確認してください。
申請引き継ぎに注目してください
機能一覧の中で見落とされやすいのが申請引き継ぎです。処理中のチケットを、ある担当者から別の担当者へ引き継げます。
これは代理承認とは別のものです。代理承認は「不在のときに代わって押す」仕組みですが、引き継ぎは「担当そのものを移す」機能です。異動や退職で、承認待ちのまま止まっている申請が発生したときに効きます。
代理承認の設計|承認者不在で止めない、証跡を壊さないで扱ったとおり、不在対応と担当移管は要件が違います。組織改編の直後は、この2つが同時に必要になります。
SSOとSaaS連携
SAML 2.0によるSSOに対応しています。申請基盤を社内の認証に寄せる構成の論点はMicrosoft 365 SSO申請承認、標準機能の限界と解決策で扱っています。
kintoneを含む100種類以上のSaaS連携が公表されている点も、中堅以上の規模では意味があります。承認の結果を他システムへ渡す構成が取りやすくなります。
料金が非公開であることの読み方
ここは正直に書きます。金額が公開されていないため、他製品との横並び比較ができません。
| 製品 | 公表単価 | 最低ライン |
|---|---|---|
| コラボフロー | 月額500円〜 | 5ユーザー・2か月 |
| Accel-Mart Quick(intra-mart) | 月額770円 | 20ユーザー |
| Gluegent Flow | 月額400円〜 | 25ID(プレミアムは100ID) |
| kickflow | 非公開 | 50ライセンスから(比較サイト掲載) |
最低ラインが最も高い水準です。中堅・大企業向けという位置づけと整合しています。 50名を下回る組織では、そもそも検討の対象になりません。
では非公開をどう扱うか。順序が変わります。
公表単価がある製品なら、まず金額を見て候補を絞り、それから要件を確認できます。非公開の製品では逆で、要件を固めてから見積もりを取るしかありません。
だから検討に入る前に、次を出しておいてください。
- 従業員数(見積もりの前提になります)
- 組織改編の頻度と規模 — 年1回か期ごとか、何部署が動くか
- 組織構造の複雑さ — 部・室・課の混合、複数階層、兼務の有無
- 連携先 — 人事システム、会計システム、kintoneなど
- 監査要件 — 過去のルートの再現を求められるか
この5点が曖昧なまま見積もりを取ると、金額の妥当性を判断できません。総額の構成要素はワークフローシステムの費用相場|総額の出し方で整理しています。
30日間の無料トライアルがあり、作成したデータは契約後も引き継げるという条件は、この順序を踏むうえで有利です。要件を実データで確かめてから見積もりに進めます。
向く組織・向かない組織
向くのは、組織が複雑で、頻繁に変わる中堅以上の組織です。
- 従業員50名以上(最低ライセンス数の条件)
- 組織改編が年1回以上あり、そのたびに承認ルートの修正が発生している
- 部・室・課が混在し、兼務者がいる
- グループ会社や複数法人で、組織図を並行して持ちたい
- 監査で過去の承認ルートの再現を求められる
この条件が揃うほど、切り替え予約とバージョン管理の価値が出ます。逆に組織が安定していれば、この2つの機能に払う意味は薄くなります。
向かないのは、50名未満の組織です。最低ライセンス数の条件があるため、実効単価が上がります。コラボフローの5ユーザー・2か月のような条件の製品が合います。
判断が分かれるのは、50〜100名で組織が安定している場合です。ライセンス数の条件は満たしますが、組織改編の頻度が低ければ主要機能が使われません。この場合は、申請の種類の数と連携要件で判断してください。
よくある質問(FAQ)
料金はいくらですか?
公開されていません。 スタンダードとエンタープライズの2プランがあり、初期費用は無料、プランと従業員数に応じた見積もりになります。
最低何人から使えますか?
比較サイトの掲載情報では最低ユーザーライセンス数は50からとされています。公式ページでは確認できなかったため、提供元にご確認ください。
組織図の切り替え予約とは何ですか?
指定日の深夜0:30頃に組織図を切り替えるよう、あらかじめ予約できる機能です。4月1日付の組織を3月のうちに登録しておけば、当日の始業時点で新しい組織になっています。
人事システムと連携した製品との違いは何ですか?
タイミングが違います。人事情報を参照する製品(jinjerなど)は人事側の更新で追従しますが、人事の更新が当日の朝になればその朝の申請は旧組織で回ります。予約型は深夜に切り替わるため、始業時点で切り替わっています。
過去の承認ルートを再現できますか?
組織図のバージョン管理が機能一覧に含まれており(比較サイト掲載情報)、作成できる組織図の数に制限がないとされています。ただし公式ページには「バージョン管理」の明記がありませんでした。監査要件として重要なら、提供元に確認してください。
兼務に対応していますか?
比較サイトの掲載情報では「部・室・課の混合」「複数階層」「兼務」といった複雑な組織構造に対応するとされています。こちらも公式ページに明記がないため、ご確認ください。
トライアルで作ったものは無駄になりませんか?
30日間の無料トライアルがあり、トライアル中に作成したデータは契約後も引き継げるとされています。料金が非公開のため、要件を実データで確かめてから見積もりに進む順序が取れます。
kintoneと連携できますか?
kintoneを含む100種類以上のAPIとSaaS連携が公表されています。具体的な連携内容は提供元にご確認ください。
承認後の発注まで自動化できますか?
いいえ。扱うのは申請と承認、およびその記録です。承認が降りたあとに実際に物を買う、宿を取るという工程は含まれません。
1Approvalでの実現方法
1Approvalは、いま使っている承認ワークフロー(Microsoft 365、Teams、Google Workspace、kintone)の上で、承認が降りた時点で発注や手配まで完了させる仕組みです。
kickflowと扱う場所が分かれています。
| 埋める領域 | |
|---|---|
| kickflow | 誰が承認するか。組織図から承認経路を決め、証跡を残す |
| 1Approval | 承認の先の実行。発注・手配を自動で完了させる |
組織図を予約で切り替え、承認経路が常に正しく保たれても、承認が降りたあとに誰かが購買サイトを開いて注文する工程は残ります。そこが1Approvalの範囲です。
- 承認と発注の間が消える — 承認後に注文し直す工程がなくなります
- 申請の入口が1つになる — 何をどこで買うかに関わらず同じ場所から申請できます
- 費用が法人一括請求にまとまる — 従業員の立替と領収書の回収が発生しません
- 既存の承認基盤をそのまま使う — 組み上げた経路を置き換えません
承認者を正しく決める問題と、承認後に実行する問題は別です。 前者を組織図の予約で解く製品と、後者を埋める仕組みは競合しません。
まとめ
kickflow(株式会社kickflow)は中堅・大企業向けのクラウドワークフローです。上場企業、6,000名規模の学校法人、80社以上のグループ企業への展開実績が公表されています。
最大の特徴は組織図の切り替え予約です。指定日の深夜0:30頃に組織図を切り替えるよう予約できます。組織が変わったときの構えは「直す」「追従させる」「予約する」の3つに分かれ、kickflowは3つ目です。
なぜ予約が成立するのか。4月1日付の組織は3月のうちに決まっているからです。 異動は突発事象ではなく計画事象なので、先に入れておけます。追従型との差はタイミングに出ます。人事の更新が当日の朝になるなら、その朝の申請は旧組織で回ります。
あわせて組織図のバージョン管理が機能一覧に含まれており、過去の組織図が残れば監査で「その時点のルート」を再現できます。ただし公式ページには明記がなかったため、要件として重要なら確認してください。
料金は非公開です。初期費用は無料で、プランと従業員数に応じた見積もりになります。最低ユーザーライセンス数は50からとされており、これまで扱った製品の中で最低ラインが最も高い水準です。
非公開であるため、要件を固めてから見積もりを取る順序になります。従業員数、組織改編の頻度と規模、組織構造の複雑さ、連携先、監査要件の5点を先に出してください。30日間の無料トライアルでデータが引き継げるので、実データで確かめてから進められます。
まず自社の組織改編の頻度を数えてください。 年1回以上あり、そのたびに承認ルートの修正が発生しているなら、この製品の主要機能が効きます。組織が安定しているなら、払う意味は薄くなります。
主な参照先
- kickflow(公式)|株式会社kickflow
- kickflow|ITセレクト(発注ナビ)
- kickflowの料金|IT trend
- kickflow|アイミツSaaS
- kickflow|ASPIC
- kickflowの評判・口コミ|ITreview
※本記事は2026年10月時点の公開情報をもとに整理したものです。料金は非公開のため掲載していません。最低ユーザーライセンス数、組織図のバージョン管理、兼務対応については比較サイトの掲載情報であり、公式ページで確認できなかったため、その旨を本文中に明記しています。導入効果の数値は提供元が自社事例から集計したもので、前提条件が示されていないため自社への適用根拠にはなりません。最新の仕様と見積もりは提供元にご確認ください。
監修
伏見 匡矩
株式会社エイチ 代表取締役社長
株式会社エイチ代表取締役社長。出張手配・会場手配の実務を起点に、申請・承認から購買実行までを一体で扱う1Approvalを立ち上げ、事業責任者としてプロダクト設計に携わる。承認されたあとの購買・手配をどう自動化するかという観点から、Microsoft 365を基盤とした申請・承認の設計を扱っている。
経歴・運営者情報を見るこの記事のテーマ
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